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オリックス・山下舜平大も初参加 「エース養成機関」鴻江塾の取り組みとは - スポニチ Sponichi Annex 野球
オリックス・山下舜平大投手(23)がプロ入り後初めて育成やリハビリの段階から外れた今オフ、本領発揮へ着々と準備を進めている。12月中旬には04年アテネ五輪男子ハンマー投げ金メダリストで、前スポーツ庁長官の室伏広治氏(51)と同氏が副学長を務める東京科学大で3日間、吉田正尚(32=レッドソックス)と3人で合同自主トレ。今月13日からの4日間は、スポーツトレーナーの鴻江寿治(ひさお)氏が福岡県内で主宰するアカデミーで研鑽を積むなど、自らの体と向き合い続けている。
「教えてもらったことでも、一気にいろんなことはできないんで。ただ、ブルペンでの投球だったり、体を動かしていても成功体験が少しずつ出てきている。2月は(指導されたことを)体にすり込ませる期間」菅野智之、千賀滉大、今井達也などが師事し、「エース養成機関」とも称される鴻江氏の合宿に初参加し、新たな気づきがあった。鴻江氏の「骨幹理論」では、人間の体は「うで体(猫背タイプ)」と「あし体(反り腰タイプ)」の2種類に分類され、山下は体の左半身に比べて右半身が強い「うで体」タイプだったという。投球動作においては腕から動き、それに足がついてくる流れが理想。だがこれまでは鴻江氏いわく、足から始動し、背筋の力を利用して押し込む「あし体」の投げ方をしていたのだという。タイプに合っていない体の動かし方は、山下が苦しんできた腰部はじめとした怪我につながる。鴻江氏は指導のポイントを解説する。「(山下は)右手で投げるじゃないですか。けど、右手の話なんかほとんどしていないんですよ。左手のグラブをどう使っていくかによって、体の誘導をやっていけるか。そして誘導をしたときに、下半身でどれだけ力を伝えきれるか。いかに効率よくボールに体重を乗せて力を伝えるかが、“うで体”の一番の目的なので」。プロ球団の指導者が指導するような長期間のやり取りではなく、人体の構造の仕組みをはじめとした基礎知識を授け、自らに合った体の動かし方を説明することで土台の部分を作り上げさせてきた。合宿にはプロ野球選手だけでなく、プロゴルファーなど競技の垣根を越えて約40名が参加。「野球だろうがゴルフだろうが、体の使い方は一緒だな、みたいな話がみんなの口から出始めてくる。違う人のフォームをどんどん見ながら、自分に置き換えて“こうなのか”と理解し始めるので」と、鴻江氏は参加メンバー同士での活発な議論が、互いの成長を促進していると目を細める。昨年から鴻江合宿に参加しているオリックス・田嶋は初参加の際、朝から晩まで己の成長のために野球漬けになった期間を「本当に僕の求めていた空間。“俺、こういう空間で野球をしたかったんだな”というぐらい、充実した時間でした」と振り返っていた。それぞれが高め合う空間で濃密な時を過ごした山下と田嶋の2人が、26年シーズンでどのようなパフォーマンスを残すのか、期待は深まるばかりだ。(阪井 日向)