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【球界ここだけの話(4032)】今年の虎はとにかく走る 〝ランニング不要論〟の本当の意味とは…
阪神・岩崎優(奥)と自主トレをともにする(前列左から)高橋遥人、桐敷拓馬、及川雅貴とにかく阪神の選手は走る走る。今年も自主トレ取材に全国各地を飛び回ったが、この令和の時代に、走る量を増やしていた。まずは、岩崎優投手(34)が主宰している静岡。高橋遥人投手(30)、桐敷拓馬投手(26)、及川雅貴投手(24)とともに行い、アップからさっそくポール間を走る。岩崎によると、昨年から2~3倍にランニング量を増やした。意図を聞くと「いろんな意見があると思うんですけど、自分は走ることが大事だと思う。追い込むっていうよりも、しっかり体を作っていくっていう感じですかね。2月のキャンプで、準備不足とかでのけががないように」。効率化を求める時代に根性っぽく見えるランニングに不要論を唱える人も少なくない。では岩崎より10歳下の及川は「走るってどうなのって時代になってますけど、自分はある程度必要だとは思う」とこちらも肯定派だった。次は長崎での大竹耕太郎投手(30)。元ソフトバンク・和田毅氏(44)から自主トレを引き継ぎ、今年からメニューなどの構成も担当し、走る量を1・5倍ほど増やした。「現代に『走る意味あるのか』という人も多いですけど、僕はそうやって44歳まで投げている人(和田氏)を目の前で見てきた。西(勇輝=阪神)さんにしても、岸(孝之=楽天)さんとか涌井(秀章=中日)さんとか、長い人は走れてるんで。走れなくなったら一気に尻すぼみになるイメージはある」。自主トレ公開日は名物の坂道ダッシュも敢行した。これに対する大竹の分かりやすい説明が、走ることへのすべての意味だった気がする。「傾斜に対してしっかり体幹を使うというちゃんと意図があってやっています。ただ根性論でやってるわけでもない。全部、裏付けがあってやってることしかないです」現代に聞かれる「ランニング不要論」は何も意図がないランニングのことを指しているだけで、正しいフォームや使っている筋肉を意識するなどの意図を持てば、走るというスポーツの一番の根底にある動作は令和でも必要なのだろう。阪神では15日に陸上110メートルハードルで2000年シドニー、04年アテネ五輪代表の谷川聡氏(53)=筑波大准教授=をSGLに招いて、ドラフト1位・立石正広内野手(22)=創価大=らにランニング指導。さらに春季キャンプを行う沖縄県宜野座村の「バイトするならエントリー宜野座スタジアム」のサブグラウンドに全長100メートルの雨天専用走路「めんそー路」が設置される。気候が変わりやすい沖縄で投手のランニング量を確保するのが主な目的だ。チームとしても走ることを重要視していることがうかがえる。冬に走った量が、秋に実を結ぶはずだ。(渡辺洋次)