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阪神・中野拓夢、30歳シーズンのテーマは無欲 黒田正宏氏との対談で激白
対談した黒田正宏氏と中野拓夢(左)=バイトするならエントリー宜野座スタジアム(撮影・松永渉平)阪神・中野拓夢内野手(29)がこのほど、現役時代は南海、西武に所属し、引退後は西武、ダイエー、阪神の3球団でヘッドコーチを務めた黒田正宏氏(78)=サンケイスポーツ専属評論家=と対談した。2024年は打率・232と苦しんだが、昨季は・282と完全復活し、リーグ優勝に貢献。6月に30歳を迎える中、無欲をテーマに、4年連続全試合出場を目指すと誓った。黒田氏(以下、黒田)久しぶり! 表情が明るいねぇ。中野昨年は一昨年のことがあったので、気合が入っていました。今年、気合が入っていないわけじゃないんですけど、昨年はやらなきゃいけないなっていうのが多すぎて、自分にプレッシャーをかけていました。黒田バッティングのこと?中野はい。ちょっとおかしくなったのを戻すという作業が結構、大変でした。黒田背番号7はどうかな。中野「似合っているよ」と、皆さんに言ってもらえています。黒田新たな気持ちやね。中野ある意味プレッシャーにもなるというか。背番号を変えた年に数字が悪くなってしまうと「なんで変えたんや」っていう風に言われるのもあると思います。黒田自分から背番号の変更を希望した。中野はい。WBCでも7番をつけていて自分の中でなんか縁起のいい番号というところもありますし、7が自分の中で結構好きな数字で。黒田阪神の7番は成功が多いんやで。今岡とか真弓もそう。中野すごい方がつけられていますよね。黒田今年はどういう風にやっているの?中野一番はけがをしないことですね。今年は30歳になるので、まずはけがせず143試合を戦い抜くことと、まだまだ満足できる数字ではないので、守備にしても盗塁にしても打撃にしても、もっともっと数字を伸ばせると思っています。黒田昨年、打率はリーグ優勝を決めた後、下がってきたよね。中野途中まで3割をキープしていたのですが…。やっぱり意識した中で打つことの難しさというか、ちょっと成績が落ちてしまいました。黒田優勝して、ホッとしたんやろうね。中野まずはチームのリーグ優勝というところが最優先だったので。決まった後は気がちょっと抜けたというか。黒田昨年の感じでやっていったら、もっともっと打率を残せると思う。ただ、すぐに(教えてもらったことを)忘れるもんなぁ(笑)。中野忘れるというか、どこかでちょっと欲をかいてしまいます。黒田一昨年は引っ張りすぎたという感じ。中野強く打ちたいっていう気持ちがあって、引っ張りというか、体が流れてボールに入っていけませんでした。黒田もっと呼び込んで、三遊間にね。中野広角に打てないと率が残らないっていうのはわかっているので、ちょっと一昨年は勘違いしてしまいました。黒田今年は欲を捨てていける。中野そうですね、昨年は結果的にホームランはゼロでしたけど、ホームランで評価されるタイプじゃないので。本当に今年はそういう欲を出さずにやりたいですね。黒田盗塁は最低でも20個はしてほしい。中野得点圏でクリーンアップを迎えたいので(昨年は)考えてしまっていて。盗塁するにしてもアウトになれないなっていうプレッシャーがありました。黒田走れば成功するよね。中野思い切ってスタートを切れたときは大体、成功しますが、どうしても、マイナスな部分を考えたりとか。黒田新人のときは思い切っていたね。中野そうですね、もう怖いものなしでした(笑)。黒田そういう面ではちょっと怖くなってきた。中野色々経験して、警戒もされて、どんどん走ることの難しさっていうのは年々感じていますね。黒田リーグ連覇が一番の目標やね。中野本当にそこですね。個人っていうよりは、チームのことによりフォーカスしてやっていきたいです。黒田優勝したら楽しいでしょう。中野楽しいですね。(2023年の)選手会長としての優勝は特別でした。ビール掛けでの一言だったりとか、すごくいい経験させていただきました。黒田昨年は日本シリーズで負けて悔しかったはず。中野そうですね。優勝したのに不完全燃焼というか。優勝したはずなのに、負けたみたいな気持ちがなんかイヤでした。黒田今の取り組みや表情を見ていたら、大丈夫。今年も活躍を期待しているからね。中野はい! ありがとうございます。★キャンプで背番号「7」お披露目2月1日に背番号7をお披露目し、練習後にはファン300人に即席サイン会を行った。2日には30分間の早出特守。3日には赤星臨時コーチから走塁面での脱力の方法を学び「体に力が入ってしまい、スピードに乗らないという課題」の克服へコツをつかんだ。★インタビュー後記第1クール最終日を中野は体調不良で休んだが、表情が明るくて安心した。背番号7も似合っていた。打撃不振を乗り越えたことで自信を取り戻し、シーズンを乗り越えるために、体と相談しながら練習メニューと向き合っているのだろう。言葉の節々からレギュラーとして起用してくれている藤川監督への感謝や、マンツーマンで指導してくれた和田ヘッドコーチへの思いがにじみ出ていた。今季の打順は基本的に2番になると思うが、2番は難しい。1番が初球で倒れてしまうと、2番はある程度、球数を稼がないといけないし、バントや進塁打もある。四球も少なくなる。ただし、元阪神監督の野村克也さんも2番を最も大事にしていたように、リーグ優勝に向けて、欠かせないピースになる。打率3割以上を残すためには遊撃手の頭を狙って二塁打の数を増やすこと。足が速いことを最大限生かしてほしい。30歳を過ぎると確かに疲れが取れにくくなるが、そこも自覚できている。首位打者や盗塁王も狙える。(サンケイスポーツ専属評論家)■中野 拓夢(なかの・たくむ)1996(平成8)年6月28日生まれ、29歳。山形県出身。日大山形高から東北福祉大に進学し、三菱自動車岡崎を経て2021年D6位で阪神入団。新人年に盗塁王、23年には最多安打を獲得。ゴールデングラブ賞、ベストナインはそれぞれ2度。年俸3億円。右投げ左打ち。172センチ、68キロ。背番号「7」■黒田 正宏(くろだ・まさひろ)1947(昭和22)年12月21日生まれ、78歳。兵庫・姫路市出身。姫路南高から法大、本田技研和光(現ホンダ)を経て71年D6位で捕手として南海入団。82年に西武へ移籍。85年の引退後は西武、阪神などで1軍バッテリーコーチ、ヘッドコーチなどを務めた。コーチ時代を含めて日本一は5度(リーグ優勝7度)。右投げ右打ち。