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【元虎番キャップ・稲見誠の話】結局は岡本&村上の〝露払い〟か、風穴開けるか…侍・佐藤輝明に運命のジャッジ下るー
侍ジャパン・佐藤輝明「アピールする立場だと思っている。残り3試合も、しっかり結果を残したい。連覇もかかっているので、その一員になれるように頑張りたいです」ホームラン談話に実感がこもっていた。阪神では、さほど使わない〝アピール〟のフレーズが、佐藤輝明の現状を物語っている。結局は岡本和真(ブルージェイズ)と村上宗隆(ホワイトソックス)の〝露払い〟に終わり、合流すればレギュラーの座から降ろされるのか。それとも、5人の野手が顔を揃えるメジャー組に風穴を開けるのだろうか。運命のジャッジが迫ってきた。佐藤が2月27日の中日との壮行試合(バンテリンD)の一回に放った自身の侍1号は、文字通りのアピール弾。「チャンスで、ああいう一振りで、初回に3点入ったのは非常に大きかった」とは井端弘和監督の弁。それでも当然ながらレギュラー当確とは言わなかった。6日の台湾戦(東京D)から始まるWBC。日本時間18日の米マイアミでの決勝まで、7試合。たった7ゲームで世界一が決まる過酷な戦いだ。夢の打線に佐藤の名が入るのか。阪神の4番が選出された時から、その居場所はどこにあるのか、井端監督の判断が気になっていた。岡本&村上は一、三塁の両コーナー。2人ともNPBで一塁の経験はある。しかし「一塁・佐藤」はない。外野に目を向ければ日米通算162発の吉田正尚(レッドソックス)がいて、通算269本塁打の鈴木誠也(カブス)がいる。指揮官はDHに入る大谷翔平(ドジャース)と、昨季自己最多32発を放った鈴木を並べるオーダーを示唆しており、これで1枠は埋まる。安打製造機の近藤健介(ソフトバンク)も控える。両翼起用が基本線の森下翔太(阪神)ですら食い込めるか不明だ。バンテリンDでの一撃だけではなく、2月22日のソフトバンクとの壮行試合では3安打5打点を記録するなど、佐藤はバットで存在感を示し続けた。中日戦のテレビ解説を務めた中田翔氏の言葉が印象的だ。「打たないと試合に出られない気持ちで頑張っているんだと思います。(井端)監督は頭を抱えているでしょうね。外野もあると思うんですけど。三塁で出るとなったら、そこに岡本選手、村上選手が来ますからね。どういうふうに使うか楽しみですね」指揮官が苦渋の決断でメジャー組起用を決めれば、佐藤は代打に回る。代走要員や守備固めのイメージは浮かばない。ただ阪神での代打成績は21打数1安打11三振。打率・048で18打席連続無安打中だ。確かに昨季は想像以上の成長曲線を描いたが、不動の4番は、1打席勝負での弱さを克服できてはいない。そもそもチームでは求められていない。それが現実だ。「見て勉強することが、いっぱいあると思うので、しっかり見て、自分に還元できればなと思います」実際にメジャー組と接して、同じ時間を過ごすことは無駄にはならない。しかし、MLB勢を押しのけて、スタメンで出ることが、何よりの財産となる。佐藤輝明に吉報が届くのか。ソフトバンク、中日との壮行試合で、やるべきことはやった。人事を尽くして天命を待つー。井端監督の判断はいかに? 40本塁打&102打点男がベンチスタートなんて、もったいない。昨季、セ界2冠ですら非レギュラーという状況も、最強ジャパンの証しともいえるが…。■稲見 誠(いなみ まこと)1963年、大阪・東大阪市生まれ。89年に大阪サンスポに入社。大相撲などアマチュアスポーツを担当し、2001年から阪神キャップ。03年には18年ぶりのリーグ優勝を経験した。現在は大阪サンケイスポーツ企画委員。侍ジャパンメンバーへ日程・結果へ