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阪神・嶋村麟士朗 球団育成選手初のOP戦本塁打 「ドリスの教え」胸に「当てにいかずマン振りしようと」 - スポニチ Sponichi Annex 野球
聖地で「128」が躍動した。阪神・嶋村麟士朗捕手(22)が、8日の巨人戦で甲子園初本塁打をマークした。1―3の8回1死、ライナーで右翼席へ叩き込んだ。球団育成選手がオープン戦で本塁打を放つのは、史上初。開幕前哨戦ではここまで打率・545(11打数6安打)と好調を維持しており、早期の支配下昇格へ猛アピールが続く。
力強く振り切ると、嶋村は一塁へ全力で走り出していた。「浜風のことを分かっていたので」。だが、手に残った好感触は裏切らなかった。打球は低い弾道のまま、一直線に右翼席へ飛び込んだ。オープン戦では球団最多となる4万1888人の大観衆に埋め尽くされたスタンドからの歓声を聞き、ようやく走るスピードを緩めた。「そこでやっと、ホームランだなって分かって。(ダイヤモンドを)回りました」一日も早い支配下昇格へ、猛アピールの一発となった。1―3の8回1死。フルカウントから腹をくくった。「三振オーケーくらいで。当てにいかずマン振りしようと」。巨人ドラフト2位・田和(早大)が投じた甘いスライダーをフルスイング。打球速度172キロのライナーは浜風を切り裂いた。これでオープン戦打率・545(11打数6安打)。球団育成選手では史上初となるオープン戦での本塁打。しかも舞台は甲子園、相手は巨人とインパクトは強烈だ。「ドリスの教え」に導かれた一撃でもあった。NPBを目指していた四国・高知時代。目の前の結果を求めるあまり、当てるだけの打撃に“逃げた”時期があった。ある日の練習後、当時もチームメートだったドリスに呼び止められた。17年に阪神でセーブ王を獲得し、メジャーでも腕を振った右腕には全て見透かされていた。「プロに行って活躍したいんだろ?そのスタイルじゃ、NPBなら全く怖くない」――。駐車場での立ち話は実に、30分以上に及んだ。「(あの言葉は)デカかったです。正直、今も目先の結果にとらわれそうな時はある。そういう時こそ逆に“振ったろう”と」。今や持ち味に昇華したフルスイングで、支配下昇格への“近道”となるアーチをかけた。「(WBCから)坂本さんが帰ってきても“嶋村を使いたい”と思ってもらえるように。この期間を戦っています」。捕手登録9選手で唯一の左打者。自慢の打棒を振るい、存在感を示し続ける。 (松本 航亮)○…育成選手の嶋村(神)が8回に本塁打。オープン戦で球団の育成選手による本塁打は初めてとなった。ちなみに育成選手が出場可能な2軍戦で放った甲子園の本塁打としては、14年4月15日ソフトバンク戦の原口文仁(09年ドラフト6位)や、19年6月14日中日戦の片山雄哉(18年育成1位)の例がある。