サンスポ
【虎のソナタ】継承すべき思いと語り継ぐべき試合 天覧試合サヨナラホームラン、ファウル主張し続けた村山さん
打倒・巨人に燃えた村山実さん。天覧試合をどんな思いで見守ってくれただろうか昭和天皇の崩御を伝えた1989年1月8日付の大阪サンスポ1面はミスタープロ野球・長嶋茂雄さんだった。30年前の天覧試合で放ったサヨナラホームランの思い出と昭和天皇の記憶をつづってくれていた。最終面はミスタータイガース・村山実さん。同じく天覧試合の記憶を振り返ってもらった。ただし、こちらはサヨナラ弾を打たれた側。しかも、「あの打球はファウルや」という従来の主張を崩さなかったのだ。こんなときぐらい、穏やかな話になるのかと思ったら、「血が騒ぐ」の代名詞は不変。「打倒巨人」に人生をかけた伝説の人は、どんな状況でも悔しさを隠すことはなかった。昭和の天覧試合は、筆者も生まれる前の出来事。村山さんから聞かされて、本当にファウルかどうか、気になって仕方がなかった。実際に天覧試合に出場していた方が2人、当時の球団フロントにおられた。捕手だった山本哲也さんはホームベース後方からあの打球を追った。「あれはホームランやった」苦笑いして教えてくれた。左翼のポジションから打球を追った西山和良さんは一番近くで見た人。「入ってたなあ」村山さんに申し訳ないという顔で話してくれた。証言を総合すると、あの打球はファウルではなかったようだ。でも、そこまで巨人を倒すことに執念をみせたミスタータイガースの思いは、継承しなければいけない。