サンスポ
大谷翔平、正尚弾呼び込み勝利貢献 『野球』根付かせたミスター劇弾「天覧試合」から67年 世界的な影響力誇示で野球継承の伝道師
7回、吉田正尚の逆転弾で喜ぶ大谷翔平と村上宗隆=東京ドーム(撮影・松永渉平)ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で2連覇を狙う野球日本代表「侍ジャパン」は8日、オーストラリアと対戦し、4-3で逆転勝ち。大谷翔平投手(31)は「1番・DH」で出場し、0―1の七回先頭で四球。2死一塁から吉田正尚外野手(32)=レッドソックス=の右翼への2ランを呼び込み逆転した。日本の1次リーグC組1位が確定し、準々決勝進出が決定。同戦は天皇ご一家が観戦される「天覧試合」となった。大谷はいずれも得点に絡む2四球を選び、1次リーグ3連勝の首位突破に貢献。60年ぶりの「天覧試合」で勝利を届けた。「全員に雑さがないというか。ピンチでもチャンスでも自分の打席に集中できている」韓国戦後に打線についてこう語っていた大谷。警戒感が強まり、打線もオーストラリア投手陣を攻めあぐねる中、七回先頭で四球を選び出塁。3試合連続出塁とすると2死一塁から吉田が逆転2ラン。2点リードの八回2死二、三塁では2戦連続の申告敬遠で、ブーイングの嵐。この日、2番に打順を上げた鈴木(カブス)が押し出し四球で、貴重な追加点を挙げた。大会新記録のWBC初戦から3戦連発は生まれなかったが、勝利だけが至上命題の一戦で、確実な仕事をこなした。この日は天皇ご一家が観戦された。1959(昭和34)年6月25日。昭和天皇、皇后両陛下が観戦された巨人―阪神(後楽園)が、日本国民に「野球」というスポーツを根付かせた。4―4で迎えた九回裏。プロ2年目の巨人・長嶋茂雄が阪神・村山実から放った左翼ポール際を巻くサヨナラアーチが、日本球界の転機となった。長嶋は66年11月6日、2度目の「天覧試合」となったドジャースとの日米野球でも本塁打を放っている。長い時を経て、再び球界に名を残す伝説の選手が日本に誕生した。大谷翔平。世界最高の米大リーグで投打二刀流としてプレーし、日本だけでなく、世界の注目を一身に集める。大谷は、昨年亡くなった長嶋茂雄さんと食事の席をともにしたことがある。「実際にお会いして、素晴らしい人だった。すごく野球に対する愛情が深い方。その情熱を僕らが次の世代に託していければいい」。プロ野球、メジャーリーグ、そしてWBCなどの国際大会…。大谷の存在によって「野球」は新たな次元に押し上げられた。ミスターが「天覧試合」で放った劇弾以降、「国民の娯楽」として定着した野球だが、娯楽自体は細分化。多様化が叫ばれる時代となった。だが、大谷は世界的な影響力を誇示し、「野球」を文化として継承する伝道師となっている。そして今、再び世界一を目指す旅路の途上にいる。一球速報へ侍ジャパンメンバーへ日程・結果へ