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【高校野球】戦国大阪を彩る超新星 大商大高・浅岡 大阪No・1右腕を目指して - スポニチ Sponichi Annex 野球
全国屈指の激戦区・大阪の夏を熱くしそうな好右腕がいる。大商大高の浅岡慧(けい、2年)だ。身長1メートル79、80キロ。しなやかな腕の振りから繰り出す直球の最速は144キロを誇る。カーブ、スライダー、フォーク、シンカーなど多彩な変化球も操る。10日の練習試合では今春の選抜大会に初出場する帝京長岡(新潟)との一戦に2番手で登板。制球が定まらない場面もあったが、3回0/3を投げ2失点だった。まだ荒削りで完成形に遠いが、だからこそ、無限の可能性を秘める右腕だ。
2019年春の大阪大会を制した大商大高。春夏の甲子園大会出場こそないものの、毎年のように大阪大会の上位に食い込む実力校の一つだ。24年夏の大阪大会は4強に進出。その原動力となった一人が、当時1年生だった浅岡だった。指導する大商大高の高橋克典監督(41)は「直球はアベレージで142キロ。ひと冬越えたら、147、148キロくらいの球速が出るのでは」と期待を寄せる。浅岡は1年生だった24年夏の大阪大会2回戦・今宮戦で公式戦初登板。3番手で登板し、3回1/3を無失点と好投した。同4回戦・興国戦では公式戦初先発で6回2失点と力投し、勝利に貢献した。同準決勝・東海大大阪仰星戦でも先発マウンドを託されたように、下級生から多くの実戦を経験したことが現在の成長につながっている。秘めたポテンシャルの高さと将来性を見据え、積極的に登板機会を与えた高橋監督の眼力と厳しい指導のたまものだろう。大商大高出身のプロ野球選手は、岡田明丈(元広島)、大西広樹(ヤクルト)、上田大河(西武)の3人。いずれの右腕も高校時代に高橋監督の指導を受け、その後進学した大商大で厳しい練習を乗り越え、飛躍のきっかけをつかんだ。指揮官は、かつて指導した3人と同じようなポテンシャルを浅岡にも感じ取っている。昨秋の大阪大会4回戦で大阪桐蔭に0―7の完敗を喫した。先発した浅岡は「力不足でした」と振り返ったが、芯をとらえられた当たりは2、3本程度だった。力のある直球にシンカーのような変化を見せるフォークなどの変化球の精度を高めれば、また違った結果が生まれるかもしれない。昨年11月の練習試合では乙訓を完封。奪三振は2桁に達した。乙訓は昨秋の京都大会準優勝チームだ。実力校を力のある直球を軸にねじ伏せ、大器の片りんを示した。浅岡は三国丘中では軟式野球部に所属。特に目立った実績はなかったという。高校入学時から注力しているのが体づくりだ。1日7食が日課で、1食に米400グラム、タンパク質30グラムの摂取を心がけている。入学時から10キロ近い増量でパワーアップに成功し、下半身の安定にもつながった。3月中旬に控える練習試合では、今春の選抜大会に出場する沖縄尚学などを相手に力試しの登板を予定している。大阪桐蔭の最速153キロ右腕・吉岡貫介(2年)、香里丘の最速144キロ右腕・岡本翔斗(2年)ら好投手ひしめく全国屈指の激戦区・大阪。その吉岡や岡本らと十分勝負できる土台が、今の浅岡にはある。「上の世界で通用するボール、メンタルをつくりあげることが目標です。将来、岡田さんや大西さん、上田さんに続くことができるよう頑張っていきたい」。卒業後は大学進学を予定している。今夏、大阪No・1右腕を目指して――。魅惑の本格派投手がどんな成長曲線を描くのか。今から夏が待ち遠しい。(吉仲 博幸)◇浅岡 慧(あさおか・けい)2008年(平20)7月25日生まれ、愛知県豊橋市出身の17歳。小1から金岡ベアーズで軟式野球を始め、遊撃手。三国丘中では軟式野球部に所属し、投手。大商大高では1年夏からベンチ入り。遠投97メートル、50メートル走6秒7。1メートル79、80キロ。右投げ右打ち。◇高橋 克典(たかはし・かつのり)1985年(昭60)3月6日生まれ、大阪市出身の41歳。大体大浪商では2002年の第74回選抜大会にマネジャーとして出場。現役時代はおもに捕手、内野手。大商大では学生コーチを務めた。大学4年生だった07年11月に大商大高の監督に就任。08年から教員で、商業科教諭。