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【球界ここだけの話(4079)】DeNA・吉野光樹が原動力とする伊勢大夢の助言 中継ぎ転向で開幕1軍へ
DeNA・吉野光樹は伊勢大夢の助言を原動力に中継ぎ転向で開幕1軍を目指す予期せぬ言葉で登板に送り出された。「お前、打たれてこい」2月のキャンプ序盤に行われた実戦形式の打撃練習。DeNAで先発から中継ぎに転向した吉野光樹投手(27)が、先輩の伊勢大夢投手(28)から掛けられた一言だった。アピールを求められる4年目の右腕は「打たれちゃ駄目でしょって思ったんですけどね」と苦笑交じりに振り返る。本当に痛打を浴びることを意図していないのは明らかなところ。まずは結果を問わずストライクゾーンに投げ込み、収穫と課題を見いだすというのが真意だった。吉野にとって、伊勢は熊本・九州学院高の1学年上にあたる。中継ぎで確固たる地位を築いてきた先輩から救援としての心構えやトレーニング法を学ぶため、オフに師事し、キャンプでも繰り返し助言を仰いだ。自主トレーニングで驚かされたのは走り込みの量だった。「基礎体力を伸ばす期間ではありますけど、思った以上でした。伊勢さんって意外と走っているんだなと」。昨季まで通算6年で293試合に投げた鉄腕がインターバル走で自らを追い込む姿を目の当たりにし、自身も食らいついて下地づくりを進めた。吉野光樹にとって九州学院高の1学年上の先輩にあたる伊勢大夢「未来の自分をどう描くか」。これも、伊勢から伝えられた言葉だ。競争の対象となるチームメートではなく、過去の自分と今を比べ、理想像をイメージするという意味が込められている。「自分がどんなピッチャーであれば、開幕1軍に向けて『これで良し』と思えるか」と言い聞かせ、課題をつぶしている。キャンプから見直してきたのは、投球時の回旋動作。左足を上げた際に上半身を三塁方向にひねりすぎる傾向があった。球威を求めた結果だったが「逆に手元が弱くなっていた」と分析する。下半身から上半身に効率良く力を伝えようと、ランニングフォームや歩き方から突き詰めてきた。2月の実戦からアピールを続け、2連投となった3月5日の中日とのオープン戦(横浜)では1回を三者凡退に斬った。150キロ超の直球と落差あるフォークボールが持ち味。小杉チーフ投手コーチは「適正はある。真っすぐの力は強いので問題ない」と中継ぎとしての素質を見込んでいる。九州学院高、上武大、トヨタ自動車を経て2023年にドラフト2位で入団。24年にプロ初勝利を含む3勝を挙げたが、昨季は2試合、通算でも9試合の登板にとどまっている。「言われたポジションでやるのが使命」と腹をくくり、勝負のシーズンを迎えた。「伊勢さんが投げれば大丈夫と思われている。そんな存在になりたいですね。ゆくゆくは自分も勝ちパターンを任されるような投手になりたい。それが伊勢さんへの恩返しになると思います」。新たな挑戦の先に信頼を勝ち取り、偉大な先輩のようなリリーバーを目指す。(鈴木智紘)オープン戦日程へ