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【メジャーリーガーたちのセンバツ】東北・ダルビッシュ「うぬぼれあった」屈辱敗戦から21世紀初ノーノー - スポニチ Sponichi Annex 野球
いよいよ19日に甲子園で第98回選抜高等学校野球大会が開幕する。1964年、サンフランシスコ・ジャイアンツで村上雅則投手がMLBデビューしてから62年。多くの日本人選手が海を渡り活躍しているが、その村上投手をはじめドジャース・大谷翔平選手(31)ら多くのメジャーリーガーたちは早春の甲子園を経験。世界の舞台へ羽ばたいていった。「メジャーリーガーたちのセンバツ」と題して、センバツの舞台から大リーグに挑んだ選手たちを振り返る。(構成 浅古正則)※MLB所属球団はメジャー選手登録されたチームのみ記載。
■ダルビッシュ有(東北=宮城)MLB現パドレス21世紀に入って3度目のセンバツ。第4日第3試合「東北―浜名(静岡)」甲子園のネット裏にはNPB12球団だけではなくMLBのスカウトの姿もあった。お目当ては東北のエース、ダルビッシュ有。16歳の新2年生だ。1メートル94、78キロ、細身の体から繰り出されるストレートはMAX147キロ。変化球のキレも超高校級といわれていた。初回にこの試合の最速となる144キロを記録。3回から6回までノーヒット。1点は失ったが4安打7奪三振、無四球。最後の打者を遊飛に打ち取るとバックスクリーン方向に振り向いて両手でガッツポーズ。あの「平成の怪物」松坂大輔の出現から5年「21世紀の新怪物」が誕生した。3月22日の開会式後、ファンに握手を求められた際に右腕を引っ張られ右脇腹を痛めていた。「息ができないくらい苦しい」状況の中で変化球を駆使しながらつかみ取った白星だった。ヒーローインタビューを「体調を万全にして次は思い切り頑張りたいです」と笑顔で切り上げたダルビッシュだったが、甲子園は甘くはなかった。4日後の3回戦、花咲徳栄(埼玉)戦に先発も2回から毎回失点で6回12安打9失点KO。失意の2年生エースはマウンドで座り込んでしまった。「今まで打たれたことがあまりなかったので、うぬぼれがあったと思います。ボコボコに打たれて逆にスカッとしました。甲子園は最高でした。また戻ってきたいです」屈辱の敗戦から147日後の夏の甲子園決勝戦。ダルビッシュはマウンドにいた。常総学院(茨城)に敗れ悲願の優勝はならなかったが全国の野球ファンを虜にした。翌2004年、2年連続のセンバツで偉業を成し遂げる。1回戦、熊本工との伝統校対決。21世紀に入って初となるノーヒットノーランを達成。MAX147キロ、6者連続を含む12奪三振。圧巻の投球だった。「記録はたまたまできただけです。感動とかなくてただヒットを打たれなかっただけです」。5回以降は打たせて取る投球「次もあるし少し抜きました」と余裕の表情を浮かべた。2回戦は強豪の大阪桐蔭。右肩に疲労を感じながらも6回2失点。同学年で前年夏には甲子園経験もあるサイドスローの僚友・真壁賢守にマウンドを譲り左翼で勝利を味わった。済美(愛媛)との準々決勝は右肩の不安は消えず左翼での先発出場。真壁に試合を委ねた。4点リードで迎えた9回。2点を許しなおも2死一、二塁。痛烈な打球が左翼手ダルビッシュの頭上を越えていった。痛恨の3ラン被弾でサヨナラ負け。号泣する盟友にダルビッシュは「ナイスピッチング」と声をかけた。最後の夏も出場。全国制覇へ4度目の挑戦となったが3回戦で延長の末、千葉経大付に敗退。21世紀の新怪物は「日本一」に届かなかった。◆2004年日本ハム1巡目~2012年レンジャーズ~17年途中ドジャース~18年カブス~21年パドレス~