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【メジャーリーガーたちのセンバツ】星稜・松井秀喜 衝撃弾丸3ラン“ゴジラ劇場”幕開け!4の4、7打点 - スポニチ Sponichi Annex 野球
いよいよ19日に甲子園で第98回選抜高等学校野球大会が開幕する。1964年、サンフランシスコ・ジャイアンツで村上雅則投手がMLBデビューしてから62年。多くの日本人選手が海を渡り活躍しているが、その村上投手をはじめドジャース・大谷翔平選手(31)ら多くのメジャーリーガーたちは早春の甲子園を経験。世界の舞台へ羽ばたいていった。「メジャーリーガーたちのセンバツ」と題して、センバツの舞台から大リーグに挑んだ選手たちを振り返る。(構成 浅古正則)※MLB所属球団はメジャー選手登録されたチームのみ記載。
■松井秀喜(星稜=石川)MLBヤンキースなど1992年、春の雨で1日延びた開会式直後の第1試合。大会屈指のスラッガーにスタンドの視線が注がれる。星稜の松井秀喜。1メートル85、86キロの体躯。前年夏に4強の立役者となった主砲が春の聖地に戻ってきた。3回の第2打席だった。2死二、三塁。敬遠されてもおかしくない場面だったが、宮古(岩手)のエース元田が内角の直球で挑んできた。黄金色のバットで完璧に捉えた松井の打球は弾丸ライナーでバックスクリーンの右脇に突き刺さった。悠然とダイヤモンドを回る。怪物の豪打ショーの幕開けだ。5回にも走者を2人置いて打席が回ってきた。内角高めの直球を振り抜くと打球は高々と舞い上がった。中堅手は少し余裕を持って背走するが、打球が落ちてこない。右中間スタンドに達する2打席連続の3ランだ。この大会から甲子園のラッキーゾーンが撤去されていたが、松井には関係ない。第4打席は強烈な二塁内野安打。第5打席は右前に痛烈なタイムリー。第1打席の四球から1度もアウトにならず4打数4安打7打点。後に巨人でチームメートとなる桑田真澄(85年巨人1位、前巨人2軍監督)が持つ1試合個人最多打点記録(当時)に肩を並べた。試合後のお立ち台。松井はサラリといった。「チームとしてやらにゃいかんこと(優勝が)ありますから。頭の中は記録よりも次のことです」2回戦の相手は堀越(東京)。遊撃手には新2年生の井端弘和(97年中日5位=現侍ジャパン監督)がいた。松井は三振、一ゴロ、左飛の後の第4打席。2死二塁。堀越のエース山本幸正(92年阪神5位)が自信を持って投じたカーブを右翼席に運んだ。2試合連続、自身大会3本目となるホームラン。「なんでこんなに打てるの?」というシンプルな質問に「甲子園の不思議な力じゃないですかね。実力以上の力が出ます」と笑った。準々決勝は前年秋の近畿大会覇者の天理(奈良)。松井は第1、第2打席とも敬遠気味の四球。第3打席は遊ゴロ併殺に倒れた。8回同点に追いつかれなお一、三塁のピンチに三塁への打球をジャッグル。自身の失策で勝ち越しを許してしまった。4点を追うことになった9回、左前打を放つが終戦。頂点には届かなかった。夏も石川大会を制し3大会連続の甲子園に立った。2回戦明徳義塾(高知)戦で5連続敬遠でバットを振らせてもらえず敗戦。怪物は唇をかみしめながら聖地を去った。◆1992年巨人1位~2003年~ヤンキース~10年エンゼルス~11年アスレチックス~12年レイズ。