サンスポ
【球界ここだけの話(4098)】侍ジャパンはなぜGM不在? 監督に責任集中の負担 大谷、雄星はルール&システムに言及 環境づくりが最重要課題
WBC準々決勝でベネズエラに敗れ試合後、記者会見に臨む井端弘和監督ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)準々決勝敗退を受けて、侍ジャパンにまつわる構造的な問題がいくつか表面化した。ドジャースの大谷翔平投手(31)は「世界で勝ちたいなら導入するべきだと思う。われわれはわれわれの野球をするんだと思っているのであれば、別に必要はないかなと思う」と言葉を濁さずに意見を述べた。MLBと選手会が主催するWBCでメジャーリーグのルールが適用されるのは自然で、国際大会の直前にルール適応を時間を強いられるのは選手にとって大きな負荷。まして春先で本来なら技術向上にも結び付けたい時期だ。ただ、メジャーで2023年に施行されたピッチクロックは、日本では現時点で導入予定がない。大谷を含めたメジャー選手は短期間の侍ジャパン滞在で、その不安要素を感じとったのだろう。エンゼルス・菊池雄星投手(33)はもっと「根本的」な問題を指摘した。「まずはメジャーリーガーを増やさないといけない。根本的にメジャーに早くこれるシステムをつくるほうがルール(適応)より大事だと思う」とNPBの海外移籍システムにも言及した。NPBの海外FA権は取得に9年が必要となる。高卒は27歳、大卒は31歳以降でしか取得できない。若くしてメジャー移籍するにはポスティングシステムを球団に認めてもらう必要がある。菊池は「プロ野球は興行。日本のプロ野球も盛り上げる必要がある」とした上で、メジャー選手を増やすことが侍ジャパンの強化そのものにつながるとした。記者の視点で気になったのはGMの不在だ。侍ジャパンは常設化された一方で、いまだ就任した監督にほぼ〝全権〟と責任が委ねられている。昨年12月のウインターミーティングでは監督とGMの席が各チームに用意されていたが、侍ジャパンは井端監督だけが席に着き全ての取材に応じた。メジャー選手が増える傾向にある一方で、その数が増えるだけ招集は難航する。交渉は選手、所属球団、MLB、選手会だけでなく、代理人ら関係者の意向もイニング数、打席数、出場数、登板日などに反映される。チームのスタメン半数、ローテーションの半数以上がメジャー組で構成されるようになった現状、GM不在で監督に責任が集中するのは酷だ。選手、監督がグラウンドの勝負に集中できる環境づくりが今後の侍ジャパンの最重要課題となっていきそうだ。(横山尚杜)