日刊スポーツ
【ロッテ】鈴木昭汰が8回のピンチを抑える 松川虎生は5投手を好リードで勝利アシスト
勝負の分岐点となったのは8回だった。この回からマウンドに上がった鈴木昭汰投手(27)は、まず空振り三振で1死を奪う堂々の立ち上がり。しかし清宮に右前打、続く野村にも左前打を許し、さらに西川の打球処理の隙を突かれて、走者は一気に三塁へ。加えて盗塁も決められ、1死二、三塁。エスコンフィールドにはチャンステーマが響き渡り、流れは完全に相手へ傾きかけていた。それでも、雰囲気にのまれなかった。前の打席で本塁打の万波を申告敬遠し、2死満塁。打席には代打マルティネス。直前には黒木投手コーチと内野陣がマウンドに集まり、やるべきことを再確認した。鈴木は「インコースで攻めると決めていた。今日はストレートが良かったので」と振り返った。直球勝負の選択に迷いはなかった。力強いストレートで押し込み、わずか3球で空振り三振。満塁の大ピンチを一瞬で断ち切り、雄たけびを上げた。球場の空気を、たった3球で引き戻してみせた。この瞬間、女房役の松川虎生捕手(22)も大きく拳を握った。試合後、松川は「万波さんに(6回)ホームラン打たれたんですけど、そこはちょっと勝負が、自分自身ちょっと早くなったかなと思う」と被弾の場面を振り返った。その反省をすぐさま試合中に修正。「次のピッチャーから、まっすぐ行く時はしっかり伺いながら。ボール球だったり、配球ができたんで、8回9回、粘りながら勝てたかなと思います」。若き捕手の修正力と冷静なリードが、終盤の踏ん張りを支えた。鈴木の熱投と松川の好リードは陰のヒーローと呼ぶにふさわしい働きだった。