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【球界ここだけの話(4100)】ノーノーの快挙にまつわる最大の危機の裏側
ノーヒットノーランを達成した日本ハム・細野晴希=3月31日、エスコンフィールド北海道歴史的な瞬間を目撃した。日本ハム・細野晴希投手(24)が3月31日のロッテ戦で史上91人目となるノーヒットノーランを達成。2023年に開場したエスコンフィールド北海道では初の快挙となる。プロ3年目の左腕が成し遂げた快挙が最大の危機を迎えたのは、記録達成を期待するファンの絶叫にも近い歓声が飛び交う九回2死。代打山口の打球が一、二塁間に不規則なバウンドで転がり、清宮幸太郎内野手(26)が捕球し損ねた場面。新庄剛志監督(54)が「あれ、わざとじゃない(笑)。守ってる方もたまらんのですよ、これは、ほんとに」と気持ちを酌んだように、投手だけでなく野手にとっても最大級に緊張を強いられるシチュエーションだ。失策が記録され、無安打は継続となったが、清宮幸は記録員の判断が出るまでの数秒間が人生で最も緊張したという。「野球人生であんなに自分のエラーを願ったのはなかった。今日が初めてです」と胸をなでおろした。細野が次打者の藤原を見逃し三振に切り、エラーの影響なく快挙は無事に達成された。「いや、もう、よかった。本当によかったって感じです。細野、ありがとう」としみじみ語った清宮幸。この試合で2本塁打4打点の活躍で援護したが、快挙を断たなかったことの方がうれしそうだった。極度のプレッシャーの中、打ち取ったはずだった打球で走者を背負った細野はプロでは九回のマウンドが初めてだった。「『これも試練か』と思いながら」と腹をくくり、同時に「こうやってヒリヒリが欲しかったのかなと思いながら投げていた」と重圧を楽しんでもいた。動じることなく藤原に徹底した外角攻め。最後は150キロ直球を外角いっぱいに決めた。試合後、清宮幸からは「『本当にごめん、ありがとう』と言われました。難しい打球でしたし、ホームランも2本打っていただいた。全く僕はなんとも思っていないです」と先輩を立てた左腕。チームでカバーしあえる強さを感じさせたやりとりだった。(片岡将)プロ野球日程へ