日刊スポーツ
【ヤクルト】伊藤琉偉、開幕5連勝導く熱いサヨナラ打も「すごく寒い」大量の祝福の水浴び笑顔
ヤクルト池山隆寛監督(60)が、球団の新人監督として史上初となる開幕5連勝の金字塔を打ち立てた。前日1日の雨天中止を挟んでも勢いは止まらず、9回にサヨナラ勝ちだ。昨季最下位からの「下克上」を期す指揮官の熱い声が、神宮の夜空に響き渡った。この日の主役は「しっかり試合をつくってくれることだけを願う」と送り出した先発、奥川恭伸(24)だった。池山監督は試合前、ファームでの調整を経て合流した右腕に対し、「マウンドに上がってみないと(心境は)分からないが、いい感じできている」と全幅の信頼を寄せていた。その期待に応えるように、スピードと曲がり幅が違うスライダーを低めに投げ込み、150キロを超える直球との緩急でアウトを重ねた。5回2死まで無安打無得点の快投。7回3安打1失点と先発の責務を果たした。順位予想で低評価を下した周囲を見返すことについては、「3冠王(村上)が抜けているんだから、順位予想が低いのは当然」と冷静に現状を分析しながらも、胸の内には熱い闘志を秘めている。開幕から声を出し続け、のどはかすれ気味だが、「出し切ったからや、開幕で。こればっかりは仕方ない」と笑い飛ばす。現役時代と変わらぬ「ブンブン丸」のエネルギーは確実に選手たちへ波及しており、ベンチの活気は他球団を圧倒している。快進撃を支えるのは、決して勢いだけではない。流動的な5番打者の選定や、下位打線でのポイントゲッターの配置など、「ヘッドコーチとうまいこといっている」と語る緻密な戦略が機能。この日は正捕手の中村悠平(35)が合流し戦力は着実に整いつつある。「やはり(選手に)気分よくプレーしてもらうのが大事」。そう語る池山監督は、下馬評を覆す快進撃にも「長いシーズンどうなるか分からへん」とかぶとの緒を締めた。試合は広島1点リードで迎えた9回裏。2死2、3塁からヤクルト伊藤琉偉内野手(23)が三遊間にゴロを放ち、広島佐々木泰三塁手が飛び込みながら捕球を試みるも届かず、ボールがこぼれる間に2人が生還してヤクルトのサヨナラ勝ちとなった。伊藤はヒーローインタビューで「最高にうれしいです。(奥川)恭さんが先発で何とか1点でしのげたので、僕も何とかチームに貢献できるようにということで打席に立ちました。(最後は)抜けてくれと思って走っていました」と振り返った。チームメートからは大量の水を浴びて祝福され「すごく寒いです」と笑った。早くも今季2度目のお立ち台。「状態はそんなに良くはないですけど、チームが勝てばそれでいいのでうれしかったです」。開幕5連勝となり「チームの雰囲気は最高で、これからも連勝を続けられるように頑張りたいです。自分はレギュラーを狙っているので毎試合結果を出し続けないといけない。また明日から強いスワローズをみせられるように連勝するのでよろしくお願いします」とファンに呼びかけた。▼ヤクルトがサヨナラ勝ちで、23年と並ぶ球団タイの開幕5連勝。池山監督は就任1年目で、新人監督の開幕5連勝以上は72年与那嶺監督(中日=6連勝)79年梶本監督(阪急=6連勝)15年田辺監督(西武=5連勝)22年藤本監督(ソフトバンク=8連勝)に次いで5人目。また、前年最下位球団の開幕5連勝以上は73年太平洋5連勝、02年阪神7連勝に次いで3度目。前年最下位の球団に就任した新人監督が開幕5連勝したのは初めてだ。