日刊スポーツ
【とっておきメモ】「僕も1年目」巨人則本昂大 兄貴肌の思いやりに頼もしさ 若い選手の手本に
<中日2-1巨人>◇2日◇バンテリンドーム巨人が接戦を落とし、3連勝とはならなかった。移籍後初登板となった先発の則本昂大投手(35)は0-0の5回1死一塁、6番サノーに対しスライダーが甘く入った。打球は左翼スタンドへ飛び込む2号2ラン。捉えられた瞬間、天を仰ぎ「先制点が気になっていたところで、1球は確実な投げミス」と悔やんだ。その後は直球、スライダーを軸に丁寧にコースを突き、7回5安打無四球2失点。先発投手として役目を果たしたが、1発に泣いた。◇ ◇ ◇「僕もジャイアンツ1年目なんでね」。則本が優しくほほ笑んでいた。3月30日のジャイアンツ球場だった。「山城もそうですし、竹ちゃん(竹丸)もそうやし」。その日の投手練習、則本はいつも以上に後輩に声をかけているように見えた。その前日の29日、ドラフト2位ルーキーは阪神との開幕カード第3戦に先発。3回途中5失点で2軍降格が決まっていた。一夜明けても顔は硬かった。練習開始前の集合。則本が「先輩の話を聞く時にね、山城は鼻ほじってるんですよ」と突っ込む。実際は鼻をかいていたのだが、焦って否定する山城の顔は笑っていた。「1年目という所もあるんで。かわいがるじゃないですけど。ちょっと気にかけてやってあげたいなって。山城の場合は誰かが見てあげないと、あちこちいっちゃうので(笑い)」。兄貴肌の思いやりがあった。自身も異例の抜てきを受けた身だ。楽天でのプロ1年目の13年、新人で開幕戦を任された。プロ野球では29年ぶり、パリーグでは55年ぶりの起用だった。結果は6回1/3を4失点で敗戦投手に。「彼自身も緊張がある中で本来の姿を出せなかったんじゃないかな」と経験談を重ねる。その上で、「ただ1登板終わっただけ。彼の力が必要になる時は必ず来る。悲観してずっと下を向いてもらわないようにしたい」と力説する。若い選手の手本に-。首脳陣はプレーだけでなく、人間性も含めて獲得を決めた。今季初登板前から、チームへの貢献が光った。新人開幕のプロ初戦から13年。新天地で再び「1年目」を迎えた35歳は頼もしかった。【阿部健吾】