サンスポ
【塚ちゃんの生涯一記者】池山ヤクルト開幕5連勝! ノムさんが「隠してやがったな」とぼやいた27年前の開幕4連勝を超え球団新人監督新記録
サヨナラ勝利し、つば九郎と抱き合うヤクルト・池山隆寛監督=神宮球場池山ヤクルトが、まさかの開幕5連勝の好発進を切った。現役時代の池山隆寛監督は、あっと驚くようなところで本塁打を放つなど、天性のエンターテイナーぶりを発揮してきたが、これは監督になっても変わらないようだ。球団タイ記録となる開幕5連勝は、ブンブン丸の真骨頂といっていいだろう。ヤクルト新監督では、1999年の若松勉監督の開幕4連勝を超えた。このときは新外国人のロベルト・ペタジーニが開幕戦となった4月2日の横浜戦(横浜)で2ランを含む3安打、3打点の大暴れをみせた。外国人選手は、担当者が数年前から目をつけているもの。それだけに、98年V逸で辞任し、阪神を率いた野村克也監督は「丸山のヤロー、俺のときにペタジーニを獲って続投されたら困ると思って、隠してやがったな」と当時の丸山完二編成部長にぼやきまくったものだ。97年に38発で本塁打王を獲得したドゥエイン・ホージーが、翌98年は13本塁打とさっぱり。シーズン途中で加入したエリック・アンソニーは44試合で12本塁打も、ノムさんはV逸の原因を「1にホージー、2に高津、3に俺」と挙げていただけに、1年目から44本塁打でキングを獲得したペタジーニが98年途中に加入しAクラス入りしていれば、ノムさんは続投し、阪神の監督にならず、球界の歴史が変わっていたかもしれない。話はそれたが、通常は出血覚悟で大枚を投じ、新監督への御祝儀補強があるもの。ペタジーニはまさにそれだった。今年1月末に行われたヤクルトOB会でのこと。複数の元球団幹部から「びっくりするぐらいカネをかけなかったな。村上のポスティングで入ってきた10億円はどこに行ったんだ?」という声も漏れた。ところが、そんなご祝儀補強がないばかりか、主砲の村上宗隆が抜けても、持ち前の明るさとポジティブシンキングで乗り切ってしまうのが、池山監督のすごさだ。ちなみに、若松ヤクルトの開幕4連勝は、東京サンスポで1度も一面になっていない。開幕戦は、野村阪神の初陣を粉砕した巨人・高橋由伸。2、3戦目は野村阪神の長嶋巨人からの勝利。そして4連勝目は〝平成の怪物〟西武・松坂大輔が衝撃デビューを飾り、開幕戦と4連勝目が最終面になっただけなのだから、令和の東京サンスポでは考えられない紙面構成となっていた。個人的に、プロ野球はそこまで能力の差はないと思う。ちょっとしたことで優勝争いすることもあれば、Bクラスに低迷することもある。特にセ・リーグは力の差がない。就任時に「対話」「元気」「笑顔」を掲げ、ちょっとチームのムードが変わったことが大きく、今回のようなことが起こる。99年のヤクルトは4連勝の後に4月は9勝12敗で、最終的に4位。2008年の高田ヤクルトも開幕戦で巨人を3タテしたが、3、4月は12勝13敗で、最終順位は4位。23年の高津ヤクルトは開幕5連勝も3、4月は4連敗と7連敗があり11勝13敗1分けで最終順位は5位と、なぜか失速している。もちろんまだ始まったばかりで、まだ春の珍事の域を脱していない。このまま優勝すれば最高だが、そんな贅沢なことはいわない。せめて台風の目になって、最後までファンを楽しませてもらいたい。■塚沢健太郎(つかざわ・けんたろう)1994年から記者生活をスタートし、デビュー戦は長嶋一茂退場、翌日はグラッデンvs中西親志大乱闘。野村ヤクルト、長嶋巨人、野村楽天などを担当。産経デジタル、夕刊フジを経て2025年2月からサンスポに8年ぶりに復帰。19年11月に「生涯一捕手」の野村克也さんに公認された「生涯一記者」がコラムタイトル。自称ノムさんを一番取材した記者で「野村派は出世しないぞ」とボヤかれたとおりの人生を歩んでいる。