サンスポ
【球界ここだけの話(4101)】DeNAナインを動かす相川監督の人柄 同居する厳しさと温かさ 「すごく熱い監督」と筒香
生還した筒香嘉智をベンチで出迎えるDeNA・相川亮二監督=京セラドーム大阪DeNAを率いる相川亮二新監督(49)は、穏やかな物腰の中に芯の強さを持ち合わせている。「柔らかそうに見えますけど、実はかなり厳しい。すごく熱い監督です」。主将として密にコミュニケーションを取る筒香は、指揮官の人柄をこう言い表す。3月10日のオープン戦だった。梶原が4安打を放ちながら犠打を失敗すると、相川監督は「現状30本ホームランを打てるわけではない。バントをしなくちゃいけない選手」と注文を付けた。長打力を秘める26歳には大きな期待を懸けるが、筒香や牧ら強打者が並ぶ打線では時としてつなぎ役も必要となるだけに、明確に課題を言い渡した。その3日後には梶原のバント練習に付き添い「バットを顔に近づけて。バントがうまくなればバッティングもよくなるぞ」と親身に助言を送った。寝かせたバットで確実に球の勢いを吸収する「当て感」は、自分の間でポイントをつくってボールを捉える打撃技術に通じるという。転がった球を一緒に拾い集める姿からは、アメとムチを使い分けるさまが表れているように見えた。2月のキャンプから選手の取り組みに目を光らせ、2軍の首脳陣からひたむきな姿勢を評価する声が上がれば1軍の練習や試合に参加させた。一方、期待の高い度会には「キャンプからの練習量や結果が物足りなかった」と奮起を求め、オープン戦が本格化した3月初めに1軍から2軍行きを命じた。それから10日ほどで1軍に呼び戻すと「隆輝が頑張っている姿を見ているけど、もっともっとやれると思っている。その中での俺のあの言葉だった」と声を掛けた。選手にとって、指揮官のまなざしや発破は何より励みとなる。度会は「ぐっとくるものがあった。どうしてファームに行き、また1軍に呼んでくださったのか。意図を理解しないといけない。期待されているのはうれしいこと」と受け止めた。相川監督は昨年12月に大相撲の九重部屋を訪れ、親交のある九重親方(元大関千代大海)のもとで稽古を見学した。先人の教えを受け継ぎ、伝統を守りながら指導する様子に学びがあったという。攻守の作戦にデータを活用し、選手の課題克服に人工知能(AI)も生かすDeNA。「新しいことはすごく大事だけど、僕が教わってきた野球も大事にしていきたい」と信念を語る。厳しくも温かい言動の背景には、選手の成長とチームの勝利を目指す熱意がある。筒香が「相川監督が求める野球を選手が理解できていると思う。チームとして非常に締まりのある雰囲気になっている」と手応えを口にすれば、山崎も「士気は近年で一番高い」とうなずく。新たな指揮官に導かれたチームは、変化の兆しを見せている。(鈴木智紘)