サンスポ
阪神・福島圭音を突き動かした「安芸の星空」と「具志川の海風」 プロ初スタメンで快足二塁打かっとばすも「自分、まだまだなんで」
五回、左翼線への当たりを放ち果敢に二塁を奪う阪神・福島圭音。スピード感にあふれたプロ初安打だった=マツダスタジアム(撮影・水島啓輔)(セ・リーグ、広島2-4阪神、1回戦、阪神1勝、3日、マツダ)快音を残し、白球は左翼線で弾んだ。育成からはい上がりスコアボードに刻んだ「8番・左翼 福島」。踏み出した一歩は努力の証し。超高速の快足を飛ばし、阪神・福島圭音外野手(24)がその名をとどろかせた。「緊張しましたね。『やっとプロ野球選手になれた』って実感もわきました。大勢のファンの皆さんが声援を送ってくださってうれしかった」育成3年目だった3月30日に支配下契約を勝ち取り、4月2日のDeNA戦(京セラ)では代打でプロ初出場。二ゴロに倒れたが、13球粘ったその姿が藤川監督の胸を打った。勢いそのまま、プロ初のスタメン出場。その名がコールされると、マツダのスタンドから歓声が上がった。迎えた五回の第2打席。床田の137キロツーシームに食らいついた。「自分の理想ではないけど、追い込まれた中でああいう対応ができたのはよかった」。左翼線へと運んだ打球に50メートル5秒8の俊足を飛ばす。「一生懸命走った」。プロ初安打は足を生かした二塁打。ベンチへ帰ってきた記念球に「お母さんに渡します」とほほえんだ。口癖は「自分、まだまだなんで」。言葉だけでなく、実行に移してきた育成期間だった。プロ1年目の秋季キャンプ。安芸ドームを出るころ、外は真っ暗になっていた。「星がきれいですね。大学時代を思い出します」。白鷗大時代に思いをはせ、バットを振り続けたこともある。六回の左翼守備では、小園海斗の打球を処理して体を投げ出すようにして本塁へ送球した阪神・福島圭音。アグレッシブなプレースタイルをみせた=マツダスタジアム(撮影・水島啓輔)今年2月の春季キャンプ。休日の具志川には、当たり前のようにケインがいた。「海風が気持ちいいっすよ」。南国の地で流した心地よい汗。腐りそうになったこともある。でも、練習で手を抜いたことはない。不器用だが、純朴で実直な男。藤川監督も「第一歩は簡単に踏み出せるものではない。彼の努力がずっと見えていました。SGLでの練習量も断トツでずば抜けていた」とたたえた。努力を積み重ね、踏み出すことができた第一歩。それでもすぐに福島は「自分、まだまだなんで」と次の一歩を見据える。「自分の求められているのは違うところにある。その与えられた役割をしっかりできるようにって感じですね」昨季は33盗塁でウエスタン・リーグ盗塁王。次は自慢の足で-。走り出したケインはもう止まらない。(原田遼太郎)■福島 圭音(ふくしま・けいん)2001(平成13)年10月6日生まれ、24歳。埼玉・秩父市出身。名前の由来は母が俳優ケイン・コスギのファンだったから。聖望学園高では甲子園出場なし。白鷗大から23年育成D2位で阪神入団。25年は33盗塁でウエスタン・リーグ盗塁王。今年3月30日に支配下登録され通算2試合に出場、打率・200(3日現在)。年俸420万円。171センチ、69キロ。右投げ左打ち。背番号「92」一球速報へプロ野球日程へ