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菅野智之の登板結果が「1920年以降史上初」だった理由 投手データ44万件が示す現代野球の変化 - スポニチ Sponichi Annex 野球
MLBの歴史は長く、試合数も膨大だ。そのため一見すると、先発投手の成績パターンはすでに出尽くしているように思える。しかし、実際はそうではなかった。ロッキーズの菅野智之投手が今季初登板となったマーリンズ戦で記録した、4回2/3、被安打2、失点1(自責点1)、2四球、4奪三振は、正確なデータが残る1920年以降のMLBにおいて、同一の成績を残した先発投手が一人もいない“史上初”のものだった。
この事実がX(旧ツイッター)上で発信されると、急速に拡散し、約200万回の閲覧を記録した。発信者は「@Pitchergami」の創設者、マシュー・ウルフ氏。大学を卒業したばかりの23歳で、ロングアイランド在住の法律事務所スタッフだ。ウルフ氏は、レトロシート(Retrosheet.org)から1920年以降の先発投手約44万6000件の記録を取得。これに現在のMLB統計APIのデータを接続して照合し、15分ごとに更新している。開設からわずか4日、フォロワー約100人の無名アカウントだったが、菅野の登板の“珍しさ”を発信したことで、一気に1万3000人以上のフォロワーを獲得したという。スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」が報じている。ウルフ氏によると、最も一般的な先発成績は「6回、被安打5、失点2、2四球、5奪三振」だったという。一方で、近年は“珍しい成績”が増えている。「先発投手の故障が増え、監督が投球数により慎重になっていることが背景にあります。現在では100球以上投げる投手は少なく、三振が多ければ球数も増えるため、早めに交代させられる」その象徴的な例として、ウルフ氏はマイケル・ソロカの登板を挙げた。「ソロカは5回で10奪三振を記録しながら降板。20年前なら考えられない起用です。菅野の例も、一見するとありふれた成績に見えますが、実際には前例がありません。こうしたケースが短期間に次々と生まれています」。100年を超す歴史を経ても、野球はなお“初めて”を生み続けている。その背景には、投手起用の変化という、時代の姿が映し出されている。