サンスポ
阪神・中野拓夢が九回に起死回生同点打 福島圭音がヘッドスライディング生還
九回、2点打を放つ阪神・中野拓夢(撮影・甘利慈)(セ・リーグ、広島5-7阪神=延長十回、2回戦、阪神2勝、4日、マツダ)あと一球―。窮地に追い込まれた虎を、中野が救った。粘って、粘って食らいついた。白球はポトリと外野の芝生に弾む。起死回生の同点打で逆転劇につなげた。「チームとして『何とかしてやろう』という気持ちが伝わった状態で自分に回ってきた。すごくいい集中力を持ちながら、打てたと思います」2―5で九回に入ると、1点を返すも2死二、三塁に。3球で追い込まれるも、ファウルで粘って9球目を崩されながらも左前へ運んだ。「どんな形でもいいから森下につなごうという意識をずっと持っていた」。今季初の適時打は、試合を土壇場で振り出しに戻す2点打。藤川監督は「よく打ってくれたと思います」とたたえた。「構える位置を前後させたりして、どういう力感でいけば力まずにスムーズにバットが出るか。インパクトだけに集中して、そこを強くたたく意識でやっています」ボールとバットが当たる瞬間に力を入れられるよう、キャンプから取り組んできた。1時間1分の中断の間も「集中力を切らさないように」と三塁ベンチ裏でスイング。こだわって突き詰めてきた執念のひと振りで、劇的な1勝に導いた。その一打で同点のホームに滑り込んだのが福島だ。プロ初安打を放った翌日に2戦連続で先発に名を連ねると、自慢の俊足を生かすにはもってこいの場面が巡ってきた。「中野さんがずっと粘っていたので、絶対ヒットを打ってくれると思いながら。ファウルの時もいいスタートを切ることを意識していました」迷うことなく三塁を蹴ると、そのまま頭から本塁に飛び込み、捕手のタッチをかわした。「筒井(外野守備兼走塁チーフ)コーチとヘッドスライディングを安芸で練習したのが出た。ベースの本当に隅っこに手を入れる」。3月30日に支配下登録された新戦力が、値千金の〝神ヘッスラ〟で勝利の使者となった。中野は「きょうの勝ちは、チームを勢いづけられるいい勝ちだった。あした、このいい流れをそのまま継続していけるように、隙のないようにやっていきたい」と結んだ。土俵際まで追い込まれても、諦めない。そこからひっくり返す力がある。不動のレギュラーと1軍定着を狙う若武者が、虎の強さを見せつけた。(中屋友那)一球速報へプロ野球日程へ