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【球界ここだけの話(4105)】巨人の歴史的開幕戦勝利の日…昨季までの開幕投手、戸郷翔征が語った思い「諦めたら終わりなので」
巨人・戸郷翔征2026年3月27日、新生ジャイアンツのオープニングゲーム。前年王者の阪神相手に開幕投手を託されたドラフト1位・竹丸和幸投手(鷺宮製作所)が、6回3安打1失点の快投。球団初、プロ野球の歴史でも1958年の杉浦忠(南海)以来となる新人の開幕戦白星を記録した、歴史的な勝利を飾った。東京ドームが大歓声に包まれたその瞬間から、さかのぼること数時間。昨季まで2年続けて開幕投手を務めていた戸郷翔征投手(26)は、川崎市のジャイアンツ球場で午前中から汗を流していた。日本代表にも選出され、ノーヒットノーラン達成、3年連続の2桁勝利の活躍から一転、1軍定着後ワーストの8勝9敗、防御率4・14に終わった昨季に引き続き長いトンネルを抜けられずにいる右腕は、開幕から2軍調整が続く。本人はもちろん、周囲も含めた誰もが何とかしようと努力する。それでも、簡単に前には進めない。もどかしい日々でも戸郷は、その現状、思いを自らの言葉でしっかりとつむいだ。「やっぱり気持ちのところだと思いますよ。もちろん悩みすぎてもいけない。でも、悩まなかったら前に進めない。このプロ野球という世界で、悩まないことには先がないと思いますし、諦めたら終わりなので。そこはすごく思います。今までこういう悩みってなかったので。長くなっていますけど、自分が納得するボールを投げて、1軍で勝ちたい。自分の持ち味を存分に出しながら打者と対峙(たいじ)していくには、ごまかしながらっていうのは1軍では効かないので」その目は決して、闘志を失っていなかった。もがき、苦しみながらも懸命に前に進もうとする右腕の姿に、伴走する久保康生巡回投手コーチも共鳴する。「もがくんだけども、進んでいる状態。もがかなきゃいけないし、またいろんなことを経験していかなきゃいけない。今まで突っ走ってきているので。反対に言えば逆境のいい中じゃない。復活というか、自身がもう一回、違う輝きを取り戻したら、そういうものに言いたとえられる時期かな」菅野(現ロッキーズ)ら数々の投手を復活に導き、〝魔改造〟と呼ばれる手腕を持つ名伯楽は「泥沼に突っ込んでいろんなことを経験することは、悪いことではない。それは順風満帆の野球生活を送ることもあるかと思うけど、まずそういうことだけではないから。こういう状況になったときに、あらがうっていうことも人生の中の大きな一つのいい要素。そこを自分でどう乗り切るか。乗り切って、いいところに行けば、すごく至福の時間。人間、野球選手として後進の指導にも通用する。いい言葉が出せるような人になってほしい」と期待を込めた。若くして華々しい活躍を続けてきた右腕が、泥臭く、一歩ずつ、前に進んでいる。(浜浦日向)