サンスポ
【福留孝介の孝球必打】阪神は役者が一枚も二枚も上 強いと予想した通りのスタート 心配した森下翔太、佐藤輝明のWBC参戦もプラス要素に
雨天中止となり、室内練習場でノックを受ける阪神・森下翔太、佐藤輝明=甲子園球場(撮影・甘利慈)中日、阪神、米大リーグで日米通算2450安打を放ったサンケイスポーツスペシャルコメンテーター・福留孝介氏(48)が15日、巨人戦(甲子園)が中止となった阪神の開幕からの戦いを振り返った。セ・リーグ5球団との1巡目の対戦を終えて感じた他球団との力関係と、あえて挙げる不安材料についても言及した。強いと予想した阪神が本当に予想通りのスタートを切った、という表現しか思い浮かばない。未知数ではなく、計算できるチームになっている。14日の巨人戦は救援陣が打たれて逆転負けを喫したが、セットアッパー、守護神が普通に抑えたら勝っていた試合だし、リードされながら七回に一気にひっくり返した攻撃は、まさに強いチームの点の取り方。負けてなお強さを感じさせられた。原動力は間違いなく先発投手陣。村上、才木、高橋、伊原らがある程度のイニングは必ず投げてくれる。大竹もいる。そこにルーカス、茨木ら新しい顔ぶれも加わった。ほぼ毎試合、ゲームを作ってくれる。これは首脳陣も楽だろう。「あえて」、本当に「あえて」不安要素を探せといわれたら「八回の穴」になる。八回の流れは重要。モレッタが一発を打たれたから、というのではなく、石井が長期離脱の中、岩崎の前を誰に託すのか、まだ明確に決まっていない。藤川監督がいろいろな投手を試している段階なのは、起用法もみても分かる。ただ、「あえて」を強調したのは、この不安要素も現状からみたら、小さなもの。というのも、先発投手が完投能力があって長いイニングを投げてくれるから、小刻みの継投になるケースは少ない。先発陣が好調を維持している間に、数多くの候補を、落ち着いて、順番に試して、八回の最適任者を探せばいい。打線も、近本、大山は調子が上がってきたとはいえない段階。この2人が万全ではないのに、どこからでも点が奪える打線になっている。もともと、1番から5番まで固定できるのが自慢だったが、下位打線も起用された選手が入れ替わり結果を残す。安心感のある打線とは、こういう打線を言うのだろう。正直にいえばワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場した佐藤、森下の滑り出しは心配していた。私自身も経験したが、全く違う環境、特別な緊張感の中でプレーしてきた選手は日本のシーズンに合わせるのは難しい。メジャー組の合流以降、佐藤らが代打出場に限定されている日々をみて「シーズンにうまく入れるかな」と思ったこともあった。ところが、予選ラウンドの最後でスタメン起用され、さらに海を渡って米フロリダでも結果を残した。森下も同様だ。肝心の2人が全く試合に出ないのではなく、いい緊張感を持って、ゲーム勘を失うことなく、しかも結果も伴って気持ちよく帰ってきた。終わってみれば、阪神にとってはプラス要素いっぱいのWBC参戦になった。開幕から16試合を11勝5敗で2位。ライバル5球団と一通り対戦した。始まったばかりだから、比較が難しい部分もあるが、手ごわいと感じるチームも今のところ一つもない。阪神のほうが役者が一枚も二枚も上、というところかな。強さを感じながら、阪神戦を見ている。(サンケイスポーツ スペシャルコメンテーター)プロ野球日程へ