サンスポ
【元虎番キャップ・稲見誠の話】阪神2軍に揃った新助っ人カルテット!外国人に頼らないチーム編成を喜ぶべきか…
13日のヤクルト戦の八回、勝ち越しの押し出し死球を与えた阪神のダウリ・モレッタ時は2014年の阪神に遡る。この年、ランディ・メッセンジャーが最多勝&最多奪三振、呉昇桓が最多セーブ、マット・マートンが首位打者を獲得し、マウロ・ゴメスは打点王だった。在籍した助っ人4人が戴冠したがチームはV逸で2位だった。監督は和田豊氏(現阪神ヘッドコーチ)。3位広島とのCSファーストSを勝ち抜き、巨人とのファイナルSは破竹の4連勝で日本シリーズに進出し、頂上対決ではソフトバンクに敗れた。03、05年のリーグ優勝を経て、チームは躍進。しかし勝てそうで勝てない時間が続いた。この時期はド真ん中だった。常に上位をキープしながら、巨人や中日に一歩及ばなかった。試行錯誤を経て、ここ数年は外国人不在のスタメンに違和感を覚えなくなった。今季は3年連続で開幕スタメンから助っ人の名前が消えた。話題にすらならない。そして開幕直後は好スタートを切ったものの、15試合登板で2勝1敗5ホールドで防御率6.99のダウリ・モレッタが14日に登録を抹消され、4人の新助っ人が1軍から姿を消した。年俸1.39億円のキャム・ディベイニーは3月の2軍降格後、ずっとファーム調整。ここまで打率・205(112打数23安打)3本塁打13打点。開幕前は「50から60打席消化して判断する」だったはず。それが今では118打席を数える。2軍は43試合を消化して16勝23敗4分のファーム・リーグ西地区の3位。ディベイニーの32試合出場は最多36試合の山田脩也に次いで育成西純矢、佐野大陽、D2位・谷端将伍(日大)と並ぶ2位。若手の中で助っ人が汗を流す。しかも本来は遊撃手だが一、三塁に入ることもあり、外野手も務めた。16、17日には広島戦が行われた鳥取県米子市への遠征にも帯同した。年俸1億円以上の〝期待の若虎〟と言える。203センチの長身右腕で1.24億円のカーソン・ラグズデールは未だにベールを脱げない。2軍で7試合登板で0勝2敗。1軍で3戦2敗、防御率5.52の約1.88億円のイーストン・ルーカスは4月17日に登録を抹消された。5月10日には腰の疲労骨折だと球団発表があった。「本人が一番ショックだろうしね。しばらくかかるということ。終盤に戻って来たい、合わせたいって本人が言っていますから、ファンの方にも同様に素晴らしいカムバックというかね、期待して待ってあげようというふうに思いますよね」これが指揮官のコメント。戦線離脱が痛いと言えば現実味にかける。痛くないとも言えない。「期待して待ってあげよう」と言える余裕がある。約1.56億円のモレッタを含み、2軍に集まった新助っ人カルテットの年俸総額は約6億円。外国人戦力頼みだったら、一大事。責任問題に発展してもおかしくない。でも今は違う。指揮官の発言から現状が如実に伝わってくる。結局、支配下助っ人5人体制で1軍に残っているのはラファエル・ドリスのみ。年俸は〝最安値〟の1億円。スタメンに外国人の名が入ったのは25年9月18日の中日戦(甲子園)の「6番・三塁、ラモン・ヘルナンデス」が最後だ。そして、また助っ人がスタメンに入る気配は全くない。常勝軍団の証しとも呼べる。また近本光司、大山悠輔が年齢を重ね、佐藤輝明、森下翔太がMLB移籍を決めた暁には、国産メンバーだけでしのげるのか。阪神外国人の最後の戴冠は投手では21年、最多セーブのロベルト・スアレス。野手では冒頭で触れた14年マートン&ゴメス。阪神が目指す究極の和製野球。限界を突き破れるだろうか…。■稲見 誠(いなみ まこと)1963年、大阪・東大阪市生まれ。89年に大阪サンスポに入社。大相撲などアマチュアスポーツを担当し、2001年から阪神キャップ。03年には18年ぶりのリーグ優勝を経験した。現在はサンケイスポーツコンテンツビジネス局嘱託。プロ野球日程へ