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【鷲田康・球界インサイドリポート】超合理的なヤクルトの「8番・投手」…2番に最強打者を配置するためのオーダー
ヤクルト・池山隆寛監督メジャーリーグでは2番と3番に強打者を置き、特に2番に最強の打者を配置する打順編成が主流になっていることを以前にこのコラムで書いた。このオーダーの1番の利点は、いい打者に打席機会が多く与えられることで、統計的には得点効率も高くなる。一方で走者をためて4番の一発、という日本の野球に続く旧来の得点パターンが崩れることで否定的な意見があるのも確かだ。最近ではセ・リーグの阪神が近本光司外野手の離脱もあり、森下翔太外野手を2番、佐藤輝明内野手を3番にすえるオーダーを組んだこともあった。また巨人も3番が定位置だった泉口友汰内野手を2番に起用したりもしている。しかし、なかなかこの打順がはまらない。理由の1つは指名打者(DH)制度の有無だろう。メジャーリーグではア、ナ両リーグでDH制度を採用。下位打線から上位打線の流れがスムーズだが、セ・リーグでは9番に投手が入るためにどうしても下位から上位への流れが悪くなる。だとすると、非常に合理的なのがヤクルトの投手を8番に入れる打順編成なのだ。ヤクルトは開幕から2番に打線の核となるドミンゴ・サンタナ外野手を起用。3番には故障から戻った内山壮真内野手が入り、1番には長岡秀樹内野手という上位打線だ。そして2番・サンタナのポイントとなるのは投手をあえて8番において、9番に武岡龍世内野手を入れることだ。打順が一巡すれば、9番が本来の1番の役割を担い、サンタナの前には出塁を期待できる2人の打者がそろう。もともとこの打線は好打者を並べる上位での得点力アップを図ったもの。チャンスで8番の投手に打順が回るマイナスよりも、いうならば1人早く〝1番打者〟に打順が回ってくることを目指した編成である。そういう意味では決して奇策ではなく、非常に合理的なオーダー編成といえるだろう。投手が打席に立つセ・リーグの9人野球も今季限り。DH制度が採用される来季は2番に強打者を置くこのヤクルトパターンの打線編成が、さらに進化する可能性もあるはずである。(スポーツジャーナリスト)プロ野球日程へ