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【内田雅也の追球】はつらつさの勝負 - スポニチ Sponichi Annex 野球
9回裏、阪神クリーンアップトリオの3連打には意地が見えた。ただ、その無死満塁を無失点でしのぎ、完封をやってのけた日本ハム・伊藤大海はその上をいく。脱帽するしかなかった。
監督・藤川球児も「いいピッチングをされました」と認めた。「無四球ですからね。攻めて攻めて……」。反対に残念だったのは7回表。2番手・工藤泰成、3番手・桐敷拓馬は与四球がからんで3失点。「そこで勝負してもらわないとね。出してる方に責任ありますけど、やらなければいけないことは彼らにもある」。課題である。セ・パ交流戦の初戦だった。パ・リーグのチームは甲子園に来ると、どこかはつらつと元気になるように思う。聖地に憧れを抱いた少年時代、高校時代の熱情がよみがえるのかもしれない。以前、日本ハム球団関係者から聞いた。チームバスの車窓から甲子園球場が見えると「おい、甲子園だぞ」と、選手たちがわきたつそうだ。清宮幸太郎、万波中正、細川凌平ら高校時代、甲子園を沸かせた選手も多い。甲子園は相手にも活力を与えるわけだ。ならば、甲子園を本拠地とする阪神は相手に負けぬモチベーションで臨みたい。その点、この夜は、はつらつさが垣間見えた。西勇輝の投球には切れがあり、清宮幸をフロントドアのシュート、万波を内角に食い込むシュートでともに見逃しで三振に取った。甲子園で初めて三塁に入った立石正広は塀際の邪飛を好捕した。中野拓夢は投手強襲・二塁ベース寄りの難ゴロをさばいた。木浪聖也は頭上ライナーをジャンプしてつかんだ。見どころはあった。試合前、日本ハム監督・新庄剛志に会った。阪神~大リーグ時代、長く取材してきた。「お久しぶりです」と明るかった。あのはつらつさこそ、彼の持ち味である。メンバー表交換で新庄が姿を現すと、場内から拍手がわき上がった。甲子園はかつて黒土や緑の芝の上を駆け回った新庄を懐かしく、温かく迎えていた。どうも、このカードはよりはつらつとした方が勝つのではないか。そんな気がする。今季47試合目、レギュラーシーズン143試合の3分の1を終える。藤川は「また明日。新しいゲームですからね」と得意のセリフを残した。希望に起き、はつらつと迎えたい。 =敬称略=(編集委員)