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【内田雅也の追球】1―0継投の決断理由 - スポニチ Sponichi Annex 野球
阪神9回表攻撃中、2死となっても三塁ベンチから高橋遥人はキャッチボールに出てこなかった。交代である。
1―0で、8回2安打無失点の先発・高橋を代える。投球数は106球。今季最多で123球を投げた実績があり、続投も十分に考えられた。ましてや今季既に4完封のエース格である。結果は9回裏を託したラファエル・ドリスが何とか無失点でセーブをあげて吉と出た。監督・藤川球児にとっては相当な決断だったろう。試合後、藤川は8回裏1死一、二塁のピンチをしのいだ高橋を「彼の今まで通ってきた、努力したところがあそこで発揮された」、9回裏2死一、二塁をしのいだドリスを「何度も打ちのめされた過去、経験を自分で解決してきた結果」とたたえた。継投については言及しなかった。継投の決断理由を考えてみたい。結果論ではなく、代えるべきだとみていた。高橋はもう限界がきていたとみていた。一つは、打者にとらえられた打球が目立ってきていたからである。参考に高橋が奪ったアウトの内訳を示してみる。数字は順に、回、ゴロ、フライ(うちライナー)、三振である。1~4 6 3(1)35~8 2 7(5)3ライナーはこちらの判断による。外飛でのライナー性も含む。前半は得意とするゴロアウトが目立っていたが、後半はフライアウト、それもバットの芯でとらえられたライナーが増えていた。6、7回裏はともに3者凡退だが、各2本のライナーがあった。8回裏は1死から連続四球の一、二塁から代打グレゴリー・ポランコにライナー性右飛を浴びていた。あわや逆転3ランという打球だった。もう一つの交代理由は高橋の体調面である。左肘、左肩、左手首など5度の手術歴がある高橋は開幕から1軍で投げ続けるのは初めてだ。細心の注意が必要である。先発完投が前提だった昔は「難所は7、8回」で、9回は「最後の力を振り絞る」とされた。だが、振り絞らねばならないほど投げさせては故障につながる。よく好継投を「雨が降る前に傘を差す」と表現する。健康管理に気を配る藤川は「故障する前に休ませる」が信条で、無理は控えたのだろう。1―0勝利は4月26日広島戦での大竹耕太郎―桐敷拓馬―ドリス以来2度目だった。 =敬称略= (編集委員)