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張本勲氏が長嶋茂雄さんしのぶ 今も輝く太陽になって燦々と球界を照らしてくれている - スポニチ Sponichi Annex 野球
巨人軍終身名誉監督の長嶋茂雄さんが89歳で亡くなってから、3日で1年となる。当日の巨人―オリックス戦(東京ドーム)は「FOR3VER 6・3~長嶋茂雄~」として開催される。背番号3の名選手として、そして巨人、侍ジャパンの監督としてファンを愛し、ファンに愛されたミスタープロ野球。現役時代からの盟友である張本勲氏(85=スポニチ本紙評論家)が改めて長嶋さんをしのび、ミスターのいなかった球界の1年間を振り返った。
私はまだ心にぽっかりと穴があいたままだ。人間の宿命とはいえ、あんなに元気だった長嶋さんが亡くなるなんて、今でもどうしても思えない。ワンちゃん(ソフトバンク・王貞治球団会長)とも親しいが、彼は普段から遠く九州にいる。ミスターは、私の家から徒歩で5分とかからないところに住んでいた。サンダル履きでも行けるほどの距離だ。今でもよく散歩に行く。家の前を通るたびに、長嶋さんがひょっこり顔を出してくれるんじゃないか…。「おい、ハリ!入ってこい」という声が聞こえるような錯覚を起こす。そんな時に改めて寂しさが胸を満たす。本当にまだ亡くなったという実感が湧いていない。改めて振り返ると長嶋さんは本当に野球に対して誰よりも純粋な人だった。94年の10・8決戦の際の「勝つ、勝つ、勝つ!」が有名だが、「勝ちたい」という真っすぐな思いを常に持っていた。特に監督になってからはそうだったと思う。純粋に、勝ちたい。そんな時のミスターは目をキラキラとさせていた。私も提言させてもらった「長嶋茂雄賞」が誕生した。野球への純粋な思いを引き継いだ選手にぜひ獲ってもらいたいし、誰が選ばれるか非常に楽しみにしている。現時点ではセ・リーグ打撃3部門でトップに立っている阪神・佐藤輝明が有力候補だろうか。守備は現役時代の長嶋さんの方が華麗だったが、打撃では見事に輝きを放っている。ただ、無理して選ぶのではなく、賞の名にふさわしい選手がいなければ該当者なしでもいい。そういう賞であってほしい。一周忌。お墓参りにも行かなければ、と思っている。太陽のような笑顔と明るさで愛された長嶋さんがいなかった1年間。そんなミスターは今も、輝く太陽になって燦々(さんさん)と球界を、そして日本を照らしてくれていると思っている。私がそちらに行ったら、一緒においしい物を食べて、また野球をやりましょう。(スポニチ本紙評論家)▽長嶋茂雄賞 長嶋さんの功績を称えるため25年11月に制定され、26年からスタートする表彰。対象選手は「その年の公式戦およびポストシーズンの公式戦において、走攻守で顕著な活躍をし、かつ、グラウンド上のプレーにおいて、ファンを魅了するなど、日本プロ野球の文化的公共財としての価値向上に貢献した野手」。日本シリーズ終了後に選考委員会(王貞治氏、山本浩二氏、岡田彰布氏、栗山英樹氏、松井稼頭央氏)を開き決定。記念品と賞金300万円が贈られる。