スポニチ
巨人・丸佳浩「天国からあきらめるなと言ってくださった」 ミスターに捧げた代打逆転満塁弾 - スポニチ Sponichi Annex 野球
巨人は3日、「FOR3VER 6・3~長嶋茂雄~」として開催されたオリックス戦で5―4の逆転勝ちを収めた。3点を追う8回に代打の丸佳浩外野手(37)が起死回生の逆転2号グランドスラムを放った。巨人軍終身名誉監督の長嶋茂雄さんが89歳で亡くなってから1年。ミスタープロ野球の一周忌としての節目の試合で最後まであきらめない姿勢を示した。
3点を追う8回1死満塁。代打で丸はオリックス2番手の椋木のフルカウントからの6球目、真ん中低めの148キロ直球を完璧にとらえた。打球は右翼後方にある長嶋茂雄さんのセコムの看板へ吸い寄せられるように右翼席へ。打った瞬間に右手人さし指をベンチに突き上げた。ベンチもお祭り騒ぎとなった。お立ち台で丸はインタビュアーから「これは現実ですよね?」と問われると、「たぶんそうだと思います」と笑った。「本当に最後まで一人もあきらめることなく臨めた試合だと思いますし、あの場面はみんながつないでくれたので、僕もいい形で次のバッターにつなげたらなと思ったんですけど、本当に最高の結果になって良かった」と語った。そして長嶋茂雄さんがほほえむ看板の方向への一発となったことに「(長嶋さんが)きょうの試合を天国からあきらめるなと僕たちにずっと言ってくださったと思うので。チーム一丸となってあきらめない試合をお見せすることができて本当に良かったです」と話すと、東京ドームから大きな拍手が起きた。劣勢だった。初回を3者凡退に抑えた巨人・戸郷が、2回先頭の紅林に対し、初球がすっぽ抜けて左側頭部への死球。これが危険球となって退場となった。緊急登板となった2番手の森田が2回から5回までを無安打投球をみせたが、6回に突如崩れた。先頭の宗から4連打され先制を許すと、さらに山中の右犠飛で2点目を失う。3番手の高梨が押し出し四球でこの回計3失点となった。打線もオリックス先発の曽谷の前に6回までわずか1安打。そんな劣勢でも最後まで集中力は途切れなかった。7回にダルベックが右翼ポール際へ9号ソロを放つ。再び3点差となったが、曽谷に代わって8回に登板した椋木をから3連打で好機をつくり、丸の劇的な一発を呼び寄せた。試合前練習では選手らが「FOR3VER」と書かれた記念Tシャツを着用。試合には選手らが左袖に「FOR3VER」のロゴワッペンを付けたユニホームを着用してプレーし、試合のイニング途中には長嶋さんとゆかりのある人物のメッセージも流された。ミスターの魂が乗り移り、巨人ナインが一丸となった。「本当に長嶋さんが打たせてくれたホームランだと僕は信じていますので、本当に感謝したいと思います。雲の上のような存在なんですけど、そんな方でも僕がジャイアンツに来たときにたくさんご指導をいただきましたし、ひと言ひと言が僕の大きな財産になっているので、そういった意味でもこういう結果を出せて良かった」「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」として開催された昨年8月16日の阪神戦(東京ドーム)ではわずか2安打で零敗を喫していたが、今度こそ勝利を届けることができた。ホームランボールがヒーローインタビュー中に戻ってきた。「いやあ、これどうしたらいいですかね…僕が持って帰るのも恐れ多いので、みんなと相談して決めたいと思います」と丸。それだけ、巨人にとっては勝たなければいけない試合だった。