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【燕番コラム】ヤクルト・高橋奎二が語った「自分に期待しない」ワケとは エース候補と言われ続けてきた男の胸の内と等身大の自分
試合後 スタンドに手を振るヤクルト・高橋奎二 =神宮球場(撮影・長尾みなみ)やっと、柔和な表情を見ることができた気がする。ヤクルト・高橋奎二投手(29)が3日、ロッテ戦(神宮)で7回2安打無失点と好投し、今季3度目の登板で初勝利。プロ11年目のシーズンがスタートした。昨年10月。就任会見で池山隆寛監督(60)は奥川恭伸投手(25)と高橋の名前を挙げ「この2本がしっかりしていかないといけない」と柱としての期待を寄せた。高橋自身も、今まで以上に結果を残したいという思いは人一倍あったはず。ただ、なかなか思うようにはいかなかった。オフシーズンから故障が続き、良くなっては他の箇所が痛み、実戦登板を果たしても後退した。どれだけケアをしても繰り返してしまう故障に歯がゆさ、腹立たしさ、いらだちが募る日々。「体が思い通りに動かないと苦しい。(気持ちが)落ちる。『こうしたい』と思っても、どこかしらガタが来て継続できていない。どんだけ気を付けてもさ…。何でなんって」。次第に笑顔は消えていった。6回を抑えガッツポーズを見せるヤクルト・高橋奎二 =神宮球場(撮影・長尾みなみ)2016年に龍谷大平安高からドラフト3位で入団して以降、将来のエース候補として期待され続けてきた。ダイナミックな投球フォームから繰り出す剛速球。記者もプロ2年目から成長を見守ってきており、「一年間投げ抜いて、圧倒的な投球ができる」と期待せずにはいられないポテンシャルがある。ただ、その期待に応えられていないという現実が、高橋を苦しめていた。「期待裏切り続けてる自分が嫌。自分も『あのボールで一年間抑えてくれよ』って思っていますよ」だからこそ、考え方を変えた。「もう自分には期待しない。自分らしく投げられればいいんじゃないかなと」。自宅でも自身の投球映像を確認し、1軍戦もテレビで観戦するほど常に野球のことを考えてきた。もちろん、山野や松本健、奥川ら後輩の活躍には正直悔しさもにじんだ。でも、自分自身に期待をすればするほど、裏切られたときのショックは大きい。背伸びはせず、等身大の自分で勝負することを決めたのだ。4回を終え、ベンチ前で増田珠とタッチを交わすヤクルト・高橋奎二 =神宮球場(撮影・長尾みなみ)2020年シーズンはまだ折り返し地点にも来ていない。4年ぶりのリーグ制覇に向け重要なピースになるであろう背番号47を優しく見守っていきたい。(赤尾裕希)一球速報へプロ野球日程へ