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【内田雅也の追球】積極性について考える。 - スポニチ Sponichi Annex 野球
阪神の10失点はすべて本塁打で、5回まで毎回の6発を浴びた。
先発・才木浩人、2番手・椎葉剛が栗原陵矢と野村勇に2打席連発、近藤健介、牧原大成に浴びた。6被弾のカウントは0ストライクか1ストライク。追い込む前にフルスイングされていた。「カウントを取りにいくところで長打を浴びていますからね」と敗戦後、監督・藤川球児が指摘した。「どういう風にしていくか。これはバッテリーでやっていかないといけない。才木もやらないといけない」12球団で最も本塁打を放っている栗原の18号、19号や近藤の10号はまだわかるとして、野村と牧原大はともに今季1号、初本塁打を献上したわけだ。「ホームランは防げる」とは野村克也がよく口にした言葉だが、工夫が必要だったのだろう。昨年、日本シリーズで対戦して敗れた相手である。当時も各打者の積極性とパワーを痛感していた。とにかく全員が初球からブンブン振って、どんどん打ちにくる。この日5回まで、第1ストライクを「スイング/見逃し」で数えてみた。ソフトバンクは「20/6」でスイング率は77%に及んでいた。対して阪神は「10/10」で50%。2人に1人が第1ストライクを見逃していた。つい先日(6日付)の当欄で阪神打線は選球や粘り強さ、つながりが持ち味だと書いた。その特徴には慎重や消極的といった負の側面もある。表裏一体なのだ。もちろんデータ解析など事前の対策は必要だが、ふだん対戦しないパ・リーグ相手では初球からいく積極性が好結果を呼ぶことが多い。この日は序盤の大量失点で差し引いて考えねばならない。ただ、相手先発・大津亮介のカウント別成績をみると初球が被打率4割7厘と突出して悪い。制球も良く、イニング平均14・7球と球数も少ない=成績は8日現在=。第1ストライクから狙いたい。新人・立石正広が安打、本塁打したのはともに初球だった。一つのヒントになろう。阪神の四球178個(57試合)は依然セ・リーグ最多だが、ソフトバンクは198個(58試合)で両リーグ最多なのだ。もろさはなく、積極的にいけば、相手も警戒し、四球も奪えるのだろう。積極的で粘り強く、大胆かつ慎重に……両立は難しい。いや、相手に応じて使い分ける、しなやかで強い打線が求められている。 =敬称略=(編集委員)