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【球界ここだけの話(4169)】ヤクルト・中村悠平の中に生まれた新たな感情 受け入れた現状と初めて感じた世代交代の波
ヤクルト・中村悠平立場も、感情も今までとは違う。ヤクルト・中村悠平捕手(35)にとって、2026年は新たなスタートの年といっても過言ではないかもしれない。今年3月には、日本代表「侍ジャパン」のメンバーとして2大会連続でワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場。ヤクルト一筋でプロ18年目を迎え、これまで正捕手として3度のリーグ優勝と1度の日本一に貢献してきた。言わずと知れた球界を代表する捕手の一人だ。だが、今季はシーズン開幕から主に〝控え捕手〟として出場してきた。新たに正捕手として古賀が台頭し、先発出場の機会は減った。中村悠は今、どんな思いでグラウンドに立っているのか―。ヤクルト・中村悠平「レギュラーじゃなくなったとしても、チームが勝てば気分がいい。もちろん、自分がずっと試合に出て勝てばもっと気分がいいとは思うけど、やっぱり控えでも、チームが勝つことで前向きになれることもたくさんあるし、チームみんなで戦っているから。どうやってチームの勝利に貢献するかという思いが強くて、そっちの方が、やりがいがある。たまに出ると、喜びや楽しさもすごい感じるし、これは、新しい感情だね」ヤクルト・中村悠平ベストナイン、ゴールデングラブ賞ともに3度輝いてきた男は、今の立場と状況を受け入れている。もちろん、最初からそうだったわけではない。昨シーズン中も「もっと出たい」という気持ちから、現状にあらがおうとしていた。ただ「それだと自分が損するなと。このままじゃ、試合に出るとなっても無理だなと思った」。WBCから帰国後、衣川バッテリーコーチと話し合いの場を持ち、「最初はフラストレーションがたまる起用法になるかもしれない」と告げられても納得。「必ず中村が必要になるときがくる」と信じてくれているからこそ、自分の存在意義を理解した。ヤクルト・中村悠平自分が逆の立場だったからこそ、初めて知る感情もあった。2012年。福井商高から入団4年目のシーズンで91試合に出場してから徐々に足場を固めていき、正捕手の座についた。それまで扇の要を守っていたのは、相川亮二現DeNA監督(49)。どの世界でもある世代交代を両方の立場で経験した。「今の自分は、相川さんとすごい重なっているなと。『相川さんはこういう感じだったのかな』と思う」今月17日には36歳を迎えるベテラン。中村悠には求められることがある。若い選手が多い中、ベンチではワイワイした雰囲気が漂い、前向きな声が飛ぶが、勢いと明るさだけでは乗り越えられないのがプロの世界。勝負どころでは、ナインの背筋を伸ばす言動、行動も必要になってくる。「こういう立ち位置になって、そういうことが必要とされていると思うし、意識している。ここは集中しなくちゃいけないイニング、ここは本当に1点取りにいこうというイニングでは、まじめな声を出している。ちょっとでもいいから、選手の心のよりどころになれれば」今までとは違う立場で戦い、違う感情でグラウンドに立っている。それでも、背番号27がスワローズにいる意味は大きい。残りシーズン。「中村悠平」の力が必要になるときが必ず来る。(赤尾裕希)