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【塚ちゃんの生涯一記者】監督代行は年俸、待遇、権限が変わる⁉ シーズン中に新監督に昇格しないワケは
2014年7月21日、メンバー表の交換をする西武・田辺徳雄監督代行(左)と楽天・大久保博元監督代行(右から2人目) =西武ドーム巨人と楽天の監督代行対決が「超異例」と注目を集めた。2014年の西武担当だった私は、田辺徳雄監督代行と楽天・大久保博元監督代行の対決を見ているが、ここまで騒がれた記憶がなく、さすが球界の盟主が絡むと違うなと思わずにいられなかった。巨人は阿部慎之助監督が辞任しており、評論家の間からは「もう橋上秀樹監督でいいのでは」「代行では落ち着かないので、新監督を据えるべき」という声も聞かれる。成績不振の監督は楽天・三木肇監督のように「休養」することが多いが、「辞任」でも監督代行が立てられ、シーズン中に監督昇格という例はここ25年でも、オリックスで03年のレオン・リー監督、08年の大石大二郎監督がある程度だ。14年、西武は6月4日に伊原春樹監督が休養し、田辺徳雄監督代行(現3軍野手コーチ)が就任。3週間後に交流戦が終了し、リーグ戦再開のタイミングで突然会見が開かれ「代行が取れるのではないか」と騒然としたが、伊原監督の辞任という形が取られただけ。休養した監督が、のちに辞任するのも異例だったが、オフに田辺監督が就任した。また10年5月25日にはヤクルトの高田繁監督が辞意表明も球団は休養と発表。小川淳司監督代行が借金19から、驚異の42勝22敗1分けで8月25日に貯金1になっても、相手球団と交換されるメンバー表の一番上には高田繁監督が残ったまま。私は夕刊フジで「もしも優勝すれば、優勝監督として高田繁が刻まれる」と報じたが、それでも代行は変わらず。残り14試合となった9月20日に来季からの監督就任が発表された。近年はこのパターンで、そのまま代行の監督就任が多い。それなら、なぜシーズン途中で監督にしないのかと疑問が出るのも当然だ。10年のヤクルトの場合は、荒木大輔投手コーチの監督昇格が既定路線だった。しかし、球団のスター選手に、戦力を整えた上で、華々しくスタートさせたいという思惑があった。当時の球団幹部は「監督にするなら、開幕からきれいな形でやらせてあげたい。途中から泥をかぶせるようなことはしたくない」と説明。14年の西武は潮崎哲也投手コーチの昇格が有力視されていたが、西武の球団幹部は「誰がやるにしても、途中から監督というのはない」とヤクルトと同じことをいっていた。当然、シーズンを戦いながら次期監督選びも進めている。大物に監督就任をオファーも断られ、結局監督代行が横滑りというパターンも多い。巨人や楽天がどうなるかはわからないが、来季から新監督というのが自然の流れといえる。さて、気になるのが、監督代行の条件面や待遇面、権限だ。これまで一切触れられていないが、当然コーチ時代と年俸が同じというわけではない。多くの球団では、監督代行として契約を結び直すということはないものの、オフに〝代行手当〟が支払われるという。待遇も監督扱いになる。遠征先のホテルの部屋も、田辺さんは「広すぎて怖くなったよ」というほどグレードアップ。「代行といっても、監督と変わらなかった」と監督と同じ権限が与えられたという。ヘッドコーチや2軍監督でも、一部球団の監督以上の年俸といわれる巨人の監督代行なら、王様のような待遇を受けているはずだ。■塚沢健太郎(つかざわ・けんたろう)1994年から記者生活をスタートし、野村ヤクルト、長嶋巨人、野村楽天などを担当。産経デジタル、夕刊フジを経て2025年2月からサンスポに8年ぶりに復帰。19年11月に「生涯一捕手」の野村克也さんに公認された「生涯一記者」がコラムタイトル。自称ノムさんを一番取材した記者で「野村派は出世しないぞ」とボヤかれたとおりの人生を歩んでいる。プロ野球日程へ