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【元虎番キャップ・稲見誠の話】「やる意味あるの?」パ4強に11戦1勝…交流戦が阪神に宿題与えた!
就任後、2年連続で交流戦負け越しを喫した阪神・藤川球児監督「やる意味あるの?って思うぐらいパが強い」13日のエスコンでの中日戦でサヨナラ弾が飛び出して、破竹の9連勝を飾った日本ハム・新庄剛志監督のコメントだ。その明るい人柄なのか。怒りを覚える人間は少ないのでは…。一方、阪神・藤川球児監督のひと足早い〝交流戦総括〟はこれー。「一つのプレーのレベルの高さを自分たちも求めて、普段からキャンプからやってますけど、非常にレベルの高さを感じたし、悔しいですけど、学びに変えてタイガース全体として強くならなきゃな、と思いますね」11日の敵地でのソフトバンク戦を終えた発言だ。カード全敗を喫した上に3連戦で10本塁打を食らった。テレビ解説を務めた福本豊氏はホークス選手の一撃に「音がちゃうモン」とつぶやいた。初戦から才木浩人、椎葉剛がそれぞれ3被弾で、大竹耕太郎が2発、及川雅貴、伊藤将司の2人が1本塁打を喫した。完全な力負けだった。緻密なドラフト戦略と選手育成の成果で黄金時代を迎えた…はずだった。しかし上には上がいた。しかも複数球団の前に屈した。カード3連敗は今季2度目で、最初は5月26日からの日本ハム戦(甲子園)だった。あの強いソフトバンクを抑えて、リーグ首位に立つ西武には0勝2敗(1試合は降雨中止で16日に3回戦予定)。オリックス戦も負け越して、上位4強には11戦1勝10敗。5位に沈むロッテには勝ち越して、最下位楽天には2勝(17日に甲子園で3回戦予定)。2試合を残して、交流戦5勝のうち、〝2弱〟から4勝だ。強きに挫かれ、弱きを挫く。矢野燿大監督最終年の2022年の12勝6敗を最後に、これで4年連続パ・リーグに負け越しだ。この流れを変える、ひとつのきっかけとなるのが来季から導入されるDH制。〝阪神初代指名打者〟の輪郭が見えくると個人的は思っていた。しかしDH制が採用されたパ・リーグ本拠地での9試合を終えて、混迷の度合いを深めた。ヤクルトはドミンゴ・サンタナ、巨人は岸田行倫、大城卓三らが入り、DeNAは筒香嘉智、佐野恵太、宮崎敏郎、牧秀悟らが指名される中で、阪神は福島圭音からスタートした。嶋村麟士朗、キャム・ディベイニー、前川右京がスタメンに入った。結果は代打も含めて30打数3安打1打点の打率・100…。大きく分けて①元々打撃には定評があるが守備に難がある②長らくレギュラーを張りながら若手の台頭を受けての配置転換③外国人選手の働き場所ーがDHの適任者だとすれば、阪神の場合はどれも当てはまらない。5月29日ロッテ戦(ZOZOマリン)の二回無死一塁で「7番・DH」の福島圭音へのサインは犠打だった。結果は三飛に終わったが、指名打者へ送りバント…ソフトバンクでは柳田悠岐、日本ハムではフランミル・レイエスが入る「DH」とは大きく異なる。「スイングの強さは今後、明らかに必要」と藤川監督は振り返ったが、一発の醍醐味は激変し、怖さも〝飛び道具〟もない9人目の打者が誕生するような気がしてならない。予定では17日の楽天3回戦で、18試合の交流戦は終わる。広島、中日はともかく、DeNAは6連敗、ヤクルトは7連敗を喫した。巨人だけが貯金を作った。首位から一気に3位に転落したヤクルトを思えば、阪神の場合はまだマシか。パ4強と比べれば、セ5球団へ苦手意識がないだけ、これまた、まだマシか。球団初のリーグ連覇に照準を合わせ、達成した暁には、その先に何が見えるのか。具体的なパ対策は残念ながら、まだ見えない。虎将の言葉を借りれば「学びに変えて強くなる」しかない。■稲見 誠(いなみ まこと)1963年、大阪・東大阪市生まれ。89年に大阪サンスポに入社。大相撲などアマチュアスポーツを担当し、2001年から阪神キャップ。03年には18年ぶりのリーグ優勝を経験した。現在はサンケイスポーツコンテンツビジネス局嘱託。プロ野球日程へ