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【元虎番キャップ・稲見誠の話】虎将の〝恋女房〟がついに抹消…どうする?どうなる?阪神捕手陣!
坂本誠志郎、伏見寅威、梅野隆太郎の阪神捕手陣阪神D1位・立石正広(創価大)の1月の自主トレ中の負傷離脱を受け、左翼が激戦区になるのは予想された。キャム・ディベイニーの加入で誰が正遊撃手になるか…にも注目が集まった。ただ捕手は坂本誠志郎で決まりで無風と個人的に思っていた。日本ハムとの間でトレードを成立させ、左腕・島本浩也を放出する代わりに招き入れた伏見寅威を、藤川球児監督が、ここまで起用し、信用し、重宝するとは思わなかった。球団初の連覇を目指す虎将にとって、計算通りに貴重な戦力となった〝恋女房〟を務める伏見がついに離脱した。スタメンでサポートした高橋遥人の開幕9連勝を〝置き土産〟にするかのように、22日に登録を抹消された。体調が整わず、5月下旬からはベンチを外れることがあった。全力疾走もできない状況で異変を指摘されていたが、26日に球団から発表されたのが「腰部のコンディショニング不良」。チームドクターによる診断だった。「そのあたりは言えないですね。それ以上でも、それ以下でもないですね。選手のコンディションに関しては。万全ではないから抹消しているというところにいたって、広報発表の通りかもしれないですね」指揮官はいつも通りのスタンス。言葉を費やしながらも実りある返答はなし。発言内容は「無言」と同じで詳細な症状はもちろん、要は何も言わなかった。離脱時点でチームは67試合を消化して、36勝30敗1分の成績だった。伏見は30試合に出場し、打率・195、0本塁打9打点。高橋遥人の9勝のうち、7勝をサポートするなど、スタメンマスクは24試合で15勝9敗。勝率・625も立派のひと言だが、数字以上に存在感を示したことは間違いない。「第2捕手」と簡単に片づけられないほどチームに貢献した。しかしその代償は大きかった。オリックス、日本ハムとは、ひと味違う疲労感で36歳の体が悲鳴をあげた。藤川阪神の一員に残るための最低条件である「健康」を失った。リハビリ組に入り、再起を目指すことになった。嶋村麟士朗も同時に抹消され、残された捕手は坂本、梅野隆太郎と栄枝裕貴。矢野燿大監督時代に見いだされ坂本は時間をかけて評価をあげ、阪神ファンが納得する数字を残したが再び、梅野との競争となった。ちなみに坂本のスタメン試合は36試合で19勝16敗1分(勝率・543 )。9試合の梅野は3勝6敗…。勝率から言えば伏見の圧勝。今回のリタイアについて、患部が腰部だけに、リフレッシュの意味は薄く、早期復帰は望めない。指揮官にとって痛い離脱となったが、栄枝を含めた3人を駆使するしかない。昭和から平成、令和になって野球の質に多少の変化があっても「優勝チームには優秀なキャッチャーがいる」は不変だ。18年ぶりリーグ優勝&85年以来の日本一に輝いた23年も25年の独走Vも、レギュラー捕手は坂本だった。今季、連覇を達成した暁には、同じ人物で正解なのだろうか。石井大智の離脱、及川雅貴の不振で中継ぎ陣に昨季のような凄みはなくなった。しかし、ひとりで貯金を作る高橋に才木浩人、村上頌樹の三本柱がローテを守る。野手に目を向ければ佐藤輝明、森下翔太のコンビがいる。巨人、ヤクルトとの三つ巴となったが、普通なら負けるはずはない。村上が27日広島戦(マツダ)で食らった一発で今季のチームの被本塁打数は68試合消化で「54」となり、昨季の143試合で「53」を早くも超えた。これは異常事態だ。もしV逸となればブルペン陣の不振が真っ先に敗因のひとつに挙がるだろうが、〝主役不在〟の捕手陣は無関係とはいえない。■稲見 誠(いなみ まこと)1963年、大阪・東大阪市生まれ。89年に大阪サンスポに入社。大相撲などアマチュアスポーツを担当し、2001年から阪神キャップ。03年には18年ぶりのリーグ優勝を経験した。現在はサンケイスポーツコンテンツビジネス局嘱託。プロ野球日程へ