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【元虎番キャップ・稲見誠の話】「育成をしっかりしろ」若手1軍デビュー続くも、阪神・平田勝男2軍監督はGとの差痛感…
阪神・平田勝男2軍監督2024年D1位・下村海翔が2日の中日戦(甲子園)でデビューを果たし、5回2失点で先発の役割を終えた。翌日の広島戦は25年D2位・今朝丸裕喜が本拠地での初陣で四回から「0」を3度並べた。両右腕が今季、実績を残せば、今秋のドラフト会議での戦略が変わる可能性はある。1位の佐藤輝明から始まり、伊藤将司、村上頌樹、中野拓夢、高寺望夢、石井大智が顔を揃えた21年シーズン入団組の「黄金のドラフト」など実り多き新人補強で常勝軍団となった阪神に警鐘を鳴らしたのが平田勝男2軍監督だった。1軍は7日から巨人との首位攻防3連戦(東京D)。相手は2軍から若手選手を昇格させた…。「やっぱりジャイアンツとの差を痛感させられた。0勝5敗でしょ。これが本当の今のタイガース。突きつけられたよ、我々に。選手じゃないよ。もっと育成をしっかりしろというところの、ジャイアンツとの差をね。選手のスイングとか、守備の動きとか。全てにおいて出てくる。質が上だもん」今季から3地区制となったファーム・リーグ。4球団からなる西地区に所属する阪神2軍は13勝14敗1分となった4月19日から、勝率5割に戻ることなく、借金生活に突入。指揮官として反省を覚えつつ、力量の差を痛感したのが、中地区の巨人との交流戦だった。5月29日からの敵地での3連戦は1-4で始まり、4-10、0ー2の3連敗。競り負け→2桁失点→零敗という〝フルコース〟での全敗だった。SGLで迎えた6月26日からの第2ラウンドは初戦の降雨中止を経て1-5、2-6…。土日の2戦の観衆は4214人と4089人。「ぶざまなゲームをしとったんじゃ、ファンに飽きられる。危機感を我々は常に持って、やっていかなきゃいけない」と平田2軍監督。伝統の一戦で、屈辱の5戦全敗を喫した。本拠地では一度もリードを奪えなかった。タテジマに袖を通す者にしてみれば、あり得ない巨人相手の黒星トンネルだった。今季は嶋村麟士朗、福島圭音、神宮僚介の育成選手が支配下契約を勝ち取った。いかにも藤川球児監督らしい決断と選択だった。冒頭で触れた下村、今朝丸に代表されるように、投手陣に目を向ければ、工藤泰成、木下里都、石黒佑弥らが1軍で自分の居場所を見つけつつある。しかし野手は1軍に定着していた小幡竜平が2度の降格で、今は2軍調整中。前川右京は安定せず、開幕左翼だった中川勇斗は話題にもならない。結局、残っている高卒野手は高寺と植田海。24年D4位・百崎蒼生はやっと出番に恵まれたものの、2打席2三振で再調整となった。同い年のD3位・山田脩也に至っては2軍でチーム2位の55試合に出場も、打率・211。遊撃で15失策を記録するなど、入団当初から指摘される守備の不安が未だに矯正できていない。借金を背負うチーム状況は今挙がった選手だけの責任ではない。ただ伸び悩む高卒選手を挙げるとすれば名前が浮かぶのも事実だ。阪神2軍は27勝40敗7分で4球団中、3位。47勝28敗1分の巨人は5球団の中地区で首位。単純比較はできないが、1軍では互角の戦いができても、ファームでは、これだけの差がある。「育成をしっかり」は宿命のライバルから突き付けられたタイガースの課題。16年からのリーグ3連覇後の広島、21年からのV3後のオリックス。頂点の後に何が待ち受けているかわからない。監督交代が続く楽天のように、球団幹部が考えを改めない限り、チームは生まれ変われない。「一寸先は闇」-。阪神は既に下降線を描いているのかもしれない。そして気づいた時には、もう遅い…。■稲見 誠(いなみ まこと)1963年、大阪・東大阪市生まれ。89年に大阪サンスポに入社。大相撲などアマチュアスポーツを担当し、2001年から阪神キャップ。03年には18年ぶりのリーグ優勝を経験した。現在はサンケイスポーツコンテンツビジネス局嘱託。プロ野球日程へ