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【内田雅也の追球】数字に表れた特徴 - スポニチ Sponichi Annex 野球
成績を眺めていると選手の特徴が浮き出てくる時がある。意識の表れかもしれない。
阪神・前川右京は打率2割5分3厘だが、走者別打撃成績をみると、走者一塁時では13打数7安打、打率5割3分8厘と突出している。一、三塁でも3打数3安打だ=成績は8日現在=。これは何を意味するのか。恐らく、右方向に引っ張っての安打で一、三塁をつくりたい、凡打でも一塁走者を進めよう(三塁走者を還そう)との意識が好成績につながっているのではないか。これまで前川が試行錯誤する姿を見ていて、打つポイントで悩んでいるように感じていた。変化球を意識してか、引きつけては詰まったりしていた。ポイントを前に置くと、いい打球が飛ぶようになったのではないか。この夜の逆転決勝2ランも走者一塁だった。1点を先取された直後の2回表1死一塁。巨人先発・則本昂大の146キロ速球を右中間スタンドに運んだ。コースは外角のベルト辺で引っ張る意識があったのではないか。ここ5試合で放った4本塁打はすべて右方向である。ヒーローインタビューでは「いやもう、ホントにコツコツと。1打席1打席頑張ります」と浮かれず、謙虚に話していた。5号は自己最多。プロ5年目の23歳だが、大学出新人と同い年と思えば、今後の成長が楽しみになってくる。もう一つ、成績を眺めて気になっていたのは高寺望夢である。今季の成長は誰もが認めるところだ。近本光司に代わる1番を打つことが多い。だが、走者なしの打席では131打数22安打、打率1割6分8厘でしかなく、走者ありだと62打数22安打、打率3割5分5厘と跳ね上がる。走者得点圏でも2割8分1厘と打っている。実は高寺は勝負強く、走者を還すタイプなのかもしれない。この夜は1、6回表の走者なしでは快打がライナー性の中飛、左飛となる不運があった。だが4回表2死二塁では右前適時打を放った。勝負強い「2死後打点」だった。試合は則本から5回で8点を奪う大勝だった。6回まで得た4四死球の走者は――内野ゴロで入れ替わりを含め――皆、本塁に還った。四死球で出て、安打で還す。阪神らしい大量点だった。監督・藤川球児は帰りの通路、登板のなかったラファエル・ドリスに「ホワイ?」と珍しく、冗談を言ってはおどけていた。 =敬称略= (編集委員)