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阪神・梅野隆太郎 工藤の進化支えた「161㌔ブロック」の裏側 「準備と予測」が生んだ理にかなった捕球 - スポニチ Sponichi Annex 野球
阪神に関する硬軟織り交ぜた話題を深掘りする「虎のトリセツ」。今回は、11日ヤクルト戦(甲子園)でフルマスクをかぶった梅野隆太郎捕手(35)の「スーパーブロック」に焦点を当てた。1―0で迎えた8回無死満塁。工藤泰成投手(24)のワンバウンドを止め続けた扇の要の「準備と予測」に迫った。
ちょっとした「バタフライ・エフェクト」だったのかもしれない。梅野があのとき、あのワンバウンドを止めていなければ、翌日12日の工藤のプロ1勝はなかった――というのはうがち過ぎだろうか。11日のヤクルト戦。1―0で突入した8回、マウンドには2年目の剛腕が上がった。中村悠が中前打、塩見が三失、内山は四球で、早々に無死満塁。形勢逆転は目の前に迫っていた。岩田は投ゴロで1死。右の新助っ人・セデーニョを打席に迎えたところで、工藤の18・44メートル先にいる梅野は脳の回転速度を上げた。開き直り、力み倒すであろう若武者が、直球を叩きつけるシーンを具体的に思い描いた。「(ワンバウンド投球は)想定していた。ミットが届いて、捕れる範囲までは動けるようにしている。突然“ここに来た!”ではないので。“ここに来るもんだ”と思って“ここに来た!”なので」予感的中。カットボールで1ストライク。運命の2球目。外角低めに構えた背番号2のミットよりさらに外、左打席内でワンバウンドした球を、逆シングルで捕球した。ショートバウンドよりハーフバウンドに近い161キロの“暴投”を、左手一本ですくい上げた。「あれこそ準備ができていたから。ミットを上からかぶせるのではなくて、下から捕れた。理にかなった捕り方ができたと思う」“バッタ捕り”のように、ミットでふたをする体勢になると、ボールに追いつかず、白球は下を抜ける。「ホームベースの相当前でワンバウンドしても、体を中腰にして、胸に当てて止めるところまで予測している」と梅野。過去、藤浪(DeNA)やスアレス(ブレーブス)ら常時160キロ近いストレートを投げるパワーピッチャーと何度も組んだ実績が今に生きる。経験に裏打ちされた「準備と予測」のたまものだ。セデーニョをフォークで、サンタナは直球で連続三振に斬り、危機を脱した工藤は試合後、自身のインスタグラムに、先輩のブロッキングを称える投稿をした。一夜明けた12日同戦、ひと皮むけた男は7回の1イニングを3人で退けて初勝利。梅野の「スーパーブロック」と背番号49のウイニングボールは、確かにつながっていた。(八木 勇磨)